「強い相手だったらどうなの」「連動」「イメージの共有」 中村俊輔
GET sports という番組で、
中村俊輔が徹底解説、
日本代表7つのプレー、
というものをやっていましたので、
今回はそれについて考えてみます。

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「集団で相手をかわす」

要するに、
相手が弱ければ個人のドリブルでも相手をかわせるけど、
相手が強くなればそれもできないので、
集団で相手をかわすことが必要、
ということを俊輔は言いたかった訳ですね。
そしてその為には、
1人がボールを持ったら、
周囲が動き出す、
それによって集団をかわす、
ということですよね。

しかし、
確かにそうですが、
1つ思うのは、
最初の1人のプレーが特にそうであると思うのですが、
1対1では相手を個の力でかわしていかないと、
連動性への第一歩にならないような気がします。

また、
相手のマークを外しながら動いてボールを受けても、
相手に詰められてしまう場面は多いと思いますので、
やはりそこでも、
せめて1対1では、
個の力で相手を外せる力が無いと、
ボールを繋いでいけないのではないかと、
私は思います。

そして当然、
相手を複数かわせる力があれば、
動き出す周囲の味方のスペースを生み出せるので、
そこは欠かせないかなと思います。

つまりは、
集団で相手をかわす、
とは言っても、
そこにばかり意識が集中して、
個のプレーを蔑ろにしてしまうと、
それは実現できないのではないかと思いますね。

特に日本の場合は、
個よりも集団ということに、
かなり全体的な意識が高いので、
そこは他のサッカー圏とは、
少し比重の異なる考え方が、
必要なのではないかと思います。


「味方が味方のことを知って、
信頼関係ができていれば、
もっと先に動いていたかも知れない」


これは要するに、
スルーパスを出す時のことを想定して、
番組では言っていたのですが、
そこには、
俊輔がパスを出す方の立場として、
ということが色濃く出ているようでありました。

しかしこれは、
私は何度も書いてきましたが、
FWが主導的に動き出せば、
解決するのではないかと思います。

日本のFWは、
日本には中盤にネームバリューがある選手が多い為か、
そういう中盤の選手のパスに、
合わせよう合わせようとするプレーが多く、
だからタイミングが合わないことが多い、
そのように強く感じます。

信頼関係。
味方同士がお互いのプレーの質を理解し合って、
というのは当然必要な訳ですが、
これを少ない時間で確立させるのは、
かなり難しいですよね。

そうなってくると、
どちらかが主導権を握って、
どちらかがそれに合わせるという方法を採った方が、
連携という意味で、
早く確立されるように思います。

そしてそれは、
出し手主導よりも、
受け手主導、
その方が、
より早いと私は思います。


「彼(闘莉王)が前に出ているんだったら彼を活かすと。
そういうチームとしての意識というか統一できれば」


これはクロスということについて言っていましたが、
特に後ろの選手が上がっている場合には、
それを使うというのが鉄則ですよね。

そして、
シュートで終わるというのも、
鉄則ですよね。

そういうことというのは、
統一意識というよりは、
知識として個々が身に付けている、
そしてそれを90分間やり続ける、
習慣として身に付いている、
ということが必要ですよね。


「これ僕のミスです。
こういうの狙っていかないと勝てないですよね」


これは、
俊輔が右サイドでボールを受けた時に、
巻がきちんと動き出していたにも関わらず、
俊輔にはそれが見えていなくて、
中には動いている選手がいないと判断してしまい、
ダイレクトでクロスを入れればチャンスになったにも関わらず、
ボールを持ってしまい、
結局は遅れて入ってきた、
大外の長友にクロスを入れ、
ゴールにならなかったシーンのことについて言っていた訳ですが、
但しこれは、
確かにそうであるわけですが、
1回のチャンスを潰してしまった時に、
すぐに切り替えて、
再度チャンスを作るような動き出しをする、
そのようなことも必要かなと思います。

これは巻だけに限ったことではないですが、
例えばこのシーンでも、
良いタイミングで動いたにも関わらず、
ボールが出てこなかった巻は、
そのままニア側のポストのところで動きを止め、
俊輔のプレーを見ているだけだったのですが、
そこには、
俊輔が右足でボールをトラップし、
キープしながら中を確認して、
左足でクロスを入れる、
という時間がありましたので、
その時間の間に、
もう一度中へ動く時間というものがありましたから、
1回のタイミングの喪失でプレーを止めないこと、
その意識が必要かなと思います。

日本の選手の場合には、
1回の動きでゴールを決めようというプレーが多いですが、
世界で活躍している一流選手、
特に一流のFWというのは、
何度も何度も動き直しをして、
ゴールを奪う最善のタイミングを狙っているので、
そういう意識改革も、
日本のFWには必要だと思いますね。


「強い相手だったらどうなのっていう、
そういうことも考えないと、
W杯になった時に通じなかったとか、
自分の力量がなかったとか」


ホームでのオマーン戦、
俊輔が右足でゴールを決めたシーン、
俊輔曰く、
相手がもっとレベルの高い相手だったら、
シュートまですらいけない、
だから右のスペースへ駒野に上がってきて欲しかった、
ということを言っていた訳ですが、
サッカーをある程度やったことのある人なら解かると思いますが、
相手のレベルというものは、
結構すぐに解かるものですよね。

従って、
このゴールは相手のレベルが高くなかったので決められたが、
そうでなければ決めることはできなかったな、
とかいうことが、
感覚として判るものですよね。

結局そういうことが、
見る側にも判るレベルでなければ、
そのゴールが本当に凄いものなのか、
そうでないものなのか、
判断できないということだと思います。


「(世界に勝つためには)連動ですね」

「(アタッキングサードでは)2人の関係で絶対に点を取れる。
難しいことをしなくても。
しかも、どんな相手でも」


要するに、
2人だけの関係であろうと、
そこに意思の疎通による連動性、
ピンポイントで合わせる技術、
ゴールを決める側の得点を取る技術、
それが高ければ、
相手の守備を崩さなくても、
つまり、
難しいことをしなくても、
そして、
どんなに強い相手でも、
得点は取れる、
ということを俊輔は言っていました。

但し、
どうでしょうか?
そこに俊輔の言っていることに矛盾を感じるのは、
周囲の連動によってスペースを作り、
集団で相手をかわしながら、
ということを前述していましたが、
そのことと、
2人だけの関係であっても、
その2人の呼吸が合って、
その2人の技術が高ければ得点を取れるというのは、
一致していないように思います。

要するに、
我々が聞きたいのは、
そのような個の力が通用しない時にどうするのか?
ということだと思います。

確かに俊輔の言っていることは正しいと思いますが、
やはり前述したように、
1回のプレーで得点を取ろうという意識が高いこと、
特にパスを出す側としては、
1回のスルーパスやセンタリングで、
ズバッと得点を奪う、
それが最高に気持ちが良いし、
理想だと感じるのだと思いますが、
それは相手のレベルが高くなってくればくるほど難しいと思いますので、
世界に勝つ為には、
2人だけの連動ではなく、
3人4人、
もしくはそれ以上の連動、
それが必要不可欠かなと思います。

特に日本の場合は、
まだまだ少ない関係性の中でしかプレーしていないことが多く、
オフザボールの動き、
ボールサイドから遠いところにいる選手の動き、
そこに不満を感じるので、
むしろ2人だけの関係で得点を奪おうとすることは、
危険かなと思います。


「イメージが共有できるっていうのが大事なんで、
誰かがこうやってプレーするんじゃないかなって、
いうのを想定して動き出す」


これは重要ですよね。
味方だけでなく、
もちろん、
相手の動きも読んで動く、
これがサッカーでは、
勝敗を大きく左右するところだと思います。

それは相手や味方の心理状態も含めて、
ということですね。

1人1人が、
少しづつでも、
相手よりも先に動く、
相手よりも先にボールに触る、
相手よりも先にポジショングする、
そうすることによって、
主導権を握っていけますから、
流れを作るとは、
そういうことだと思います。

イメージを共有する、
というのはよく言われることですが、
では、
イメージを共有するとは何かと考えれば、
それは、
読み取るということだけでなく、
約束事、
ということでもあると、
私は思います。

事前の打ち合わせ、
ということですね。

スペースと時間が、
ますます少なくなっている近代サッカーにおいては、
状況を判断する時間というものも、
確実に少なくなっていますから、
アイコンタクトということでさえも、
時間のロスになると、
私は考えています。

特にボールを受けてから、
状況を判断し、
アイコンタクトをしていたのでは、
間に合わないのではないかと、
私は思います。

そうなってくると、
もはやイメージの共有ということは、
ある程度の約束事をもって成されなければ、
成功に繋がらないのではないか、
そう私は思います。

もちろん、
試合というものは始まってみなければ分かりませんし、
状況も刻々と変化する中で、
約束事だけでは対応できないと思いますが、
ベースとしてそういうものが共有できているかどうかで、
大きく異なってくるのではないかと思います。


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【2008/07/08 11:45】 | 育成・技術・練習論 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
<<成功するアスリート 本当の教育とは? | ホーム | 未来を輝かせる為の哲学。>>
コメント
田中さん、コメントありがとうございます。

問題は、相手をかわすという時に、攻撃的にかわすのか、逃げでかわすのか、ということなのかなと思います。逃げのかわしばかりだから、今の日本代表の現状になっているような気がします。ボールの持ち過ぎは良くないし、ドリブルだけがベストの選択ではありませんが、せめて1対1、1人1人が少しづつ局面で勝っていかないと、集団でも相手をかわしきれないのではないか、と、私は思います。

また、少ない関係で得点を取れるならば理想ですが、日本のいわゆるパサー系の選手は、その一発を狙い過ぎているような気がしています。ヒデでも俊輔でも小野でも、スルーパス一発で勝負を決めてやろう的なプレーが、特にビハインド状態の時や、勝たなければならない試合で残り時間が少なくなってきた時などに、ひたすらスルーパススルーパススルーパス、みたいになる傾向があるように思います。だから、その発想の原点が、この言葉にあるのかなぁ、と少し感じました。
【2008/07/08 23:10】 URL | 管理者jube #-[ 編集] | page top↑
要は、できるだけドリブルを少なくしていこうということだと思うんですよ。

日本だと、ドリブルで無理ができる選手がいないので。

日本にはカカのような20〜30M独力でボールを運べちゃうような選手がいないので、アタッキングサードまでボールを運ぶ(できるだけドリブルを少なくして)ために複数の選手による「連動」が必要だと中村は言っているのではないでしょうか。

とりあえずゴール前までいかないとしょうがないですからね。




「ゴール前では二人の関係でも点が取れる」

これに関しては、中村のパサーのとしての自負も入っていると思います。


もちろん二人より三人、四人のほうがいいのは確か。

ただ、ゴール前ではやっぱり個々の精度の問題になってくると思うんですよね。

精度が低ければゴール前に何人いても無理ですから。
【2008/07/08 20:54】 URL | 田中 #-[ 編集] | page top↑
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