「自分の力がチームを助けたという意味である」 オシムの言葉19
 2004年5月、
雑誌のインタビューにて、
監督としての喜びについて。
 チームが勝った時、
チームが何かを成し遂げた時はもちろんだが、
練習でやったことを選手が試合で上手くできた時、
自分の力がチームを助けたという意味である。
ただ自分が喜ぶというより、
選手が喜んでいる時は監督も嬉しいもの。
ただ喜んでばかりはいられない。
自分の感情をコントロールして次に備えることも重要だ。 

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<チームワークの源は、
仲間の成功を心から喜べる、
雰囲気、環境作りにあり>


このオシムの言葉からは趣旨が外れるかもしれませんが、
今回は「チームワーク」を生み出すものは何であるのか、
個人的な考えを少し述べてみたいと思います。

よく選手を成長させたり、
何かを強くしたりするには、
競争させることが大事、
という言葉を耳にします。

代表でもクラブでも、
常に競争をチーム内に生じさせて・・・、
ということを、
必ず耳にします。

しかし私は、
チーム内の競争意識が、
必ずしもその選手や、
そのチームを強くするとは限らないと、
常に考えています。

むしろ、
チーム内に強過ぎる競争原理を持ち込むことは、
必ず分裂の火種になると、
私は考えています。

チーム内の選手は、
あくまで仲間であり、
助け合い補完すべき関係であって、
火花を散らして戦うべき相手ではない、
そのように思います。

競争すべきは他チームの選手であり、
自分自身である、
それが正しいと、
私は思います。

私が大学時代のことですが、
フットサルサークルを作ろうと、
何人かの友人を誘った時のこと、
とてもショックを受けたことがありました。

その時の1人の友人が、
私にこう言ったのです。

「君は元々サッカーが上手いからいいけど、
俺は上手くないから、
やりたくない」

この言葉は、
私にとって驚き以外の何物でもありませんでした。

気の合う仲間で楽しくフットサルをやろうと考えていた私には、
自分はサッカーが上手いとか、
あいつはサッカーが下手だとか、
そのような思考が微塵も無かったので、
顔面を張り手にされたような気分でした。

私には、
仮に彼の下手さが試合の負けを招く結果になろうと、
それを責めたり、
それを理由で仲間外れにしたり、
そのようなことを全く考えていなかったので、
結局それ以上、
その友人に言う言葉は見つかりませんでした。

私には、
その友人が大学生になるまでに、
どのような経験をしてきたのか知りませんでしたし、
もしかしたら、
自分の未熟さを馬鹿にされたり、
それが原因で責められたり、
そのような苦い経験があったのかもしれません。

ただそこに、
仲間意識の希薄さ、
というものを感じたことは事実です。

私がサッカー経験者で、
彼がサッカー経験者ではない、
そうだとすれば、
最初は私が彼より上手くて、
彼が私より下手なのは当り前のことであり、
なぜそこに劣等感を感じる必要があるのか、
私には理解できないところです。

ただ仲間が集まって、
楽しくサッカーをすればいい、
もし彼が上手くなりたいと思うならば、
私や私以外のサッカー経験者から学べば良い、
そうやって少しでも上達すれば、
より仲間意識は強くなって、
全員のレベルが底上げされ、
到底勝てないと思っていた相手にも勝てるようになる、
それが最高の喜びであると、
私は思います。

また、
社会人になってから、
ある仕事場でのこと、
その時の私の上司は、
とにかく部下の競争心を煽り、
それによって業績を上げようと、
常に考えているような人でした。

ではその結果何が起こったのか、
そこに生まれたのは、
大いなる疑心暗鬼の世界でした。

常に誰かが出し抜くことを考え、
上司や会社に気に入られることだけを考え、
時には仕事の奪い合いをしたり、
とにかくそこには、
仲間意識というものは徹底的に枯渇して、
志の高い、
能力のある人から去り、
当然そうなれば、
業績などは下降線の一途でした。

全員が腹の探りあいをして、
情報の共有は全く無く、
協力し合うことは皆無で、
1人1人が孤立無援で仕事をし、
雰囲気は最悪でした。

当然そこには、
新しく入ってきた人間を育てようという意識などは、
全くありませんでした。
なぜならば、
その新人が仕事ができるようになってしまえば、
自分の立場が危うくなるからです。

その後、
その上司は異動となり、
私はある程度の上の立場となったので、
そのような職場の雰囲気を変えようと努力しましたが、
ある一定の改善が見られると、
またそこに競争原理が大好きな上司が現れて、
元の木阿弥に帰してしまう。

そして、
それをまた改善させようとする、
そこの職場では、
その戦いに終始していました。

結局、
その競争心を過剰に煽る方法によって、
何が起きるのかと言えば、
それは、
仲間同士の潰し合い、
ということであり、
同業種の他の会社であるとか、
そういうことではなくなってしまう、
ということであります。

もちろん、
そこには消費者やお客さんという存在は、
消えていました。

そこで働く人間が、
仕事に集中し、
自分のスキルアップに努力すること、
仲間同士助け合って、
本来の目的である、
チームの成果を高めようとすること、
そして、
消費者やお客さんを喜ばせようとすること、
それを見失ってしまう、
ということであります。

自分さえ有利な立場であれば、
仲間がどうであっても構わないし、
自分さえ認められれば、
チームとしての成果は悪くても構わない、
消費者やお客さんの存在など、
どうでもいい、
そのような考え方が蔓延し、
そうなれば当然、
そのチームが高い成果を出すことなど、
全く無いわけです。

仲良しチームではいけない、
つまり、
成果が出ていないのに、
ダラダラとしていてはいけない、
それは然りでありますが、
しかしそれを解決する方法として、
仲間同士に過剰な競争心を煽る、
それは全くもって、
間違った結果になると、
私は身をもって実感致しました。

戦うべき相手は内ではなく外にあること、
そして、
ライバルは自分自身であること、
更に成果とは、
補完関係のあるチームにしか生まれないということ、
それを私は学びました。

成果を出した仲間を、
心から喜べる、
なぜならばそれは、
それがチームのレベルアップに繋がるということ、
チームの成果は全員の成果であること、
そして、
たった1人のサボリ精神が、
不参加精神が、
自己中心的な精神が、
多くの仲間の害になるということ、
チームの成果の障害になるということ、
チームワークの崩壊に繋がるということ、
それを多くの人が学ぶべきであると、
私は考えています。

全員で良い物を作り上げていこうとすること、
全員で助け合いながらレベルアップしていこうとする志、
チームワークとは、
そのような精神と志から生まれるということ、
私は信じて疑いません。

何がチームを強くし、
成功へと導くのか、
もう一度我々の社会は、
思い出さなければならないと思いますし、
学びなおさなければならない、
私はそう感じています。

そしてこれは、
サッカーにおけるチームにおいても、
全く同様であると、
私は考えています。


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【2008/07/12 11:45】 | オシムの言葉 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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コメント
roumukunさん、コメントありがとうございます。

こんにちわ。

確かに、揺り戻しが始まっているというのは、感じるところですね。しかし、現在、大分での教職員の採用についての問題が大きくクローズアップされていますが、悪い揺り戻しも起こってしまっていることも確かであるように思います。結局、そう考えると、教育というところから変えないと、何も変わらないのかもしれませんね・・・。

岡田監督については、今のところ、悪くも良くもなく、という感じかなと思います。まだ試合数も少ないですし、本当に厳しい相手と戦っていませんので、これからが評価の分かれ道かなと思います。
【2008/07/12 22:57】 URL | 管理者jube #-[ 編集] | page top↑
あるべき姿への回帰
こんにちは。いつも興味深く読んでいます。

人事コンサルタントとして組織管理のアドバイザーをやっていますが、
仰るようなパターンで小組織が潰れるケースは死ぬほどありますね
(特にバブル崩壊以降は)。

ただここにきて、強烈な揺り戻しが起こっているようです。

過剰な個人主義から本来あるべき姿への回帰とでもいうのでしょうか。
ただし、昔の集団主義に帰るのではなく、一段高いレベルに昇華して
戻るのだと思います。

おそらくそれは、社員間が「競い争う」のではなく、「切磋琢磨」して皆が
成長し、会社も個人も幸せになれる形へシフトしていくことなのでしょう。

代表監督がジーコからオシムに変わったとき、似たようなことを感じまし
たが、岡ちゃんのマネジメントはどうなんですかね?
【2008/07/12 21:19】 URL | roumukun #-[ 編集] | page top↑
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