岡田武史の挑戦 ~監督という職業~ part3
2010年7月26日、
WOWOWノンフィクションWという番組で、
「岡田武史の挑戦 ~監督という職業~」という放送をしていましたので、
今回をそれを元に書いてみたいと思います。
赤はナレーションや聞き手。
青は岡田監督の言葉。
黒は私の感想という事になっています。

記事を読む前に、
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○ 今回の経験を自己採点すると? & 監督になってわかった「決断」するということ。

考えに考え抜いても、理論や理屈では結論は出ない。
それでも決断しないといけない。
誰にも頼る事はできません。監督は孤独な職業なのです。(岡田武史)

「僕は世界一、日本代表チームの事を考えている自信がありますよ。誰よりも、日本代表がどうしたら勝つだろうと考えてる自信がありますから、そういう事で、自分のできるベストを尽くしてきたという事がありますから、採点のしようが無いんですよね。やっぱり、自分自身を信じてやるしか、道は無いんですよ。要するに、誰も助けてくれないし、誰も道を示してくれないし、それはいろんな人がいろんなこと言うし、コーチもいろんなこと言うけど、僕が進んで行くしかないんですよ」

「いや、だから僕は、監督になって、それが初めて分かって、加茂さんに申し訳ない事をしなぁ~て、それが最初でしたよ。ああ~、加茂さん、それじゃダメですよ! もっとこうしないと! 3バックにしないと! あ~だこうだって、もう、マスコミと一緒でしたよ。だって、それに対して、こうだからこうやって責任取らないと、とか考えてなくて、思う事ばんばんばんばん言って、それで、加茂さんはそれをじーっと聞いて、うん、うん、わかった、わかった、って。あ~、俺ってホントに、監督になってそれが初めてわかって、もっと力になれたんじゃないのかなって、申し訳ないことしたなって、思いましたよね。怖いですし、びびるし、いろんなことあるなかで、最後に開き直って、もう、しょがねえよ、それを俺に任せたサッカー協会が悪いんだからと(苦笑)、それぐらいに開き直って、やるという事ですね」


私は、それぞれの立場の人が、それぞれの立場でモノを語っても、別に構わないと思ってるんですね。つまり、監督は監督として、コーチはコーチとして、選手は選手として、メディアはメディアとして、ファンはファンとして、それぞれの立場でモノを語っても構わないと思っているんですね。
但し、自分の意見だけをゴリ押ししてはいけないし、自分が語るなら、他人の意見も聞かなければいけないし、また、重要なのは、何を目的としてそれを語っているのか、という部分だと思うんですね。要するに、日本代表とか、サッカーとか、それについて語るのならば、その日本代表なりサッカーが強くなったり、人気になったり、そういう目的の為に語られているならば、責任が云々というのは別に追求する必要は無くて、しかし、世の中には、そういう目的じゃない目的でそれを語る人もいて、簡単に言えば、お金の為であるとか、功名心の為であるとか、批判をする事でストレスを発散している人とか、そういう目的の為に語る人もいるので、例えば個人的な事を言わせてもらえるならば、このブログにも、様々な人からのコメントなりが寄せられてきますが、まず最初に私が読み取ろうとするのは、その人が、どういう目的でそのコメントなりを書いたのかな、という部分なんですね。
従って、それがきちんとした、正しい目的で書かれたモノであるならば、それが多少乱暴な言葉であっても、どういう立場の人からのコメントであろうと、私はなるべく誠実に対応しようとは心掛けてはいる訳ですが、逆に、いくら私への賛辞が書かれていようと、言葉使いが丁寧であろうと、私の考えるところの、きちんとした目的、正しい目的で書かれていないモノは、やはり私は拒否させて頂いている訳ですね。もしかしたら、その読み取りが間違ってしまう事もあるかもしれませんが、しかしそこは、開き直るという事とは少し違いますが、自分を信じてやっていくしかない、という事で、やっていくしかないと思っていて、だから、岡田監督の言わんとしている事は、よく理解できるんですね。
しかし、「考えに考え抜いても、理論や理屈では結論は出ない」、という部分に関しては、少し違うのではないかとは思っていて、政治家などもそうですが、よく最近、説明責任という言葉が聞かれますが、やっぱり何か結論を出したら、それに対して理論や理屈などで、よく説明する必要はあるし、そこを説明しないと、その結論が正しいのかどうか検証もできないし、説明できないモノに対して、やはり多くの人は納得できないし、それに導かれて行こうとは思わないと思う訳です。また、間違った理論や理屈から出た結論であるならば、それを変えていかなければなりませんよね。
更には、例えば、守備的に戦うのか、攻撃的に戦うのか、とか、どういう選手を選び、どの選手をどのポジションで使い、どういう役割を与えるのか、とか、システムはどうするのか、とか、そういうものは、勘で決めるものではなく、きちんとした理論や理屈に基づいて、その結論を導けるものだと思っていますし、そうであるべきだと思っている訳です。もちろん、理論や理屈が無くても、勘に近い形でも、正解を出せる事はありますが、そういう博打的な決断というのは、やはり危険だと私はなんかは思う訳ですね。


○ デンマーク戦であらわれた成長。

いままでの日本だったら、あそこで同点にされたり、
2006年のW杯だったら逆転されたり、
そういうケースを何回も見てきているので、
あそこで「2-1」になってからもう1点入れたというのが、
私は感激というか、強いなぁと感じたんですが。

「う~ん、まあ、じゃあ、2006年の時より、格段にチームが強くなってるのかと言ったら、まあ、それはどうかわからないけど、試合の展開としてね、みんなのメンタリティとして、負けないというものを、こいつらに負けるはずがないというものを、みんな持って臨んでたんでね、たぶん、1点入れられたけど、負けるっていう気はしてなかったんじゃないかなぁ。でも、全ての始まりは、やっぱり、カメルーン戦ですよ。あれに勝つ、勝つか・・・、いや、引き分けじゃダメだったね。勝つという事が、全ての始まりだったし、なんか、今回の大会の全てだったかなという気がしてるんですね」


カメルーン戦の勝利が、あらゆる面で、今回の躍進にとって大きかった事は事実かなと思います。そして、オランダに「0-1」という最小得失点差で負けられた事も、かなり大きかったですよね。それは、メンタリティに関して、と言っても間違いではありませんが、そのメンタリティを生んだのは、日本は守備的に戦える、デンマークは不得意な攻撃的なサッカーをしなければならない、日本は引き分けでもOKという、そういうアドバンテージを生み出せたから、という事でもあると思う訳です。
「2-1」という状況になって、引き分けでもOKという事なら、3点目を奪いに行くメンタリティも生まれやすいですし、しかし、ドイツW杯の初戦であるオーストラリア戦は、そうではなかった。もちろん、本当ならば、引き分けでも良かったはずなので、そういう意識統一の元に戦うべきだったとは思っていますが、引き分けでも良しとする選手と、そうではない選手が存在してしまい、もしくは、攻めないと引き分けにもできないと考える選手と、守る方が引き分けられると考える選手が存在してしまって、その差も、前回と今回の差になっていると思う訳ですね。
そしてそれも、今回は、カメルーン戦とオランダ戦で、守る方の戦い方で、良い結果が出せた。だからその戦い方に自信を深めていたし、また、そういう守る戦い方で戦う事がデンマーク戦でもできた。従って、そういう事があっての、デンマーク戦で出た成長でもあるし、強さでもあったと思う訳ですね。だから単純には、ジーコジャパンよりも岡田ジャパンの方が強いとは言えないし、強くなったのかという事も、よく考える必要はあるとは思う訳です。


○ 極限の闘いで感じた世界との差

足らなかった部分というのは、
経験だけですか?

「まあねぇ、みなさん、こういう話をしていいのかわからないけど、みなさんがどう思っているのかは知らないんだけど、僕はベスト16行って、世界との差を痛感したんだよね。というのは何かと言ったら、1+1を3にするぐらいの、最高のチームになったわけだよね、偶然にも。僕がやったわけでもないけど。それでも、こんなに差があるのかと。それでも勝てないのかと。こんなことになるって、そう無いわけですよ。世界中のチームでも。ここまでこういう最高の状態で臨んでも、やっぱり、これだけボールを回されたりするのかと。これだけやっぱり、攻めれないのかと。じゃあ、そういう感じじゃなかったら、どうなってたんだろうと、僕は思ったわけですよ。
だから僕は、記者会見でも言ったように、長いスパンで、たまたまベスト16入ったから、じゃなくて、こういう波があると思った方がいいと。そういうなかで、長期のなかで、こう、右肩上がりに全体が、波がありながら右肩上がりになっていくね、方法を模索していかないと、いま、なんかこう、よーし、良かった、というふうに済ましてしまうと、危険だなって思いますね」


「偶然にも」、と、岡田監督自身も言ってしまっていますが(苦笑)、もちろん、謙遜という部分もあるとは思いますが、やはり半分は本気の言葉だと思うし、実際、そういう要素が大きかったと思う訳ですね。選手が自らの意思で考えて決断した。しかしそれは、岡田監督がそうさせたとは言えないし、そうさせたという根拠や論拠になるような事実や発言も無いし、4連敗で生まれた危機感というのも、前に岡田監督もそう言っていたように、負けたくて負けた訳じゃないし、4連敗したくて4連敗した訳では当然無いし、カメルーン戦にしても、負けたかどうかは分かりませんが、少なくとも、一歩間違えば引き分けになっていた可能性というのは強く感じられた展開でしたから、そういう偶発的なというか、結果が良かったから内容も良くなった、という事は然りだと思う訳ですね。
しかし、そういう事が積み重なって、最高のチーム状態になったのにも関わらず、負けはしませんでしたが、パラグアイには勝てなかった。もちろん、このチームが、本当に最高のチーム状態になっていたのかと言えば、それは検証の余地があって、これは多くのところで指摘されている事でもありますが、こういう戦い方への切り替えというのが遅く、もっと早い段階から積上げていれば、もっと攻撃に関しては洗練させる事ができたのではないか、という事はある訳ですよね。そして、それを、早い段階からやっていても、結局は変わらなかったと思うと考えるのは、根拠に乏しいと思う訳です。当然、そうしないよりは、そうしていた方が、もっと良くなっていたと考える方が、普通だと思う訳ですね。
まあ、しかし、そういう事をさて置いておくとしても、この時の日本代表が、岡田ジャパンのなかで、最高に近いチーム状態になっていたという事は、そうだと思う訳でして、じゃあ、それでも勝てなかった原因はどこにあるのかと言えば、また、そこに存在していた世界との差とは何であったのかと言えば、それはやっぱり、個人能力の差、であったと思う訳です。
守備の方は、パラグアイを相手にしても通用した。あれだけ人数をかければ守り切れるという意味では、通用した。しかし、逆に言えば、それだけ人数をかけなければ守り切れなかった、という事でもあるし、また、攻撃面で言えば、そうやって守備の為に多くを犠牲にしながらも、松井や本田がワンチャンスを決めていれば、というシーンはあった訳で、玉田がチャンスを作ったというシーンもあった訳で、もしそれを決めていれば、というところまでは行っていたと思う訳ですが、やはり、それを決められなかったという事が、世界との差でもあると思うし、個人の能力の差、という事でもあると思う訳ですね。
だから、岡田監督も言っているように、そういう稀に見る良いチーム状態であった、という事は、きちんと認識しておかなければならないし、そういう認識の上に立った、長期的なプランというものを考えないと、危険な方向へと流れて行ってしまうと思う訳ですね。韓国がW杯で1回、ベスト4になったからと言って、それが真の実力ではないのと同じように、日本がアウェイのW杯で1回、ベスト16になったからと言って、それも真の実力ではないですよね。本当に真の実力を身に付ける為には、まずは個の力を伸ばすという事なんだ、という事を、やはり大前提にしておかないと、危険だと私は強く思う訳です。




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【2010/07/31 11:45】 | 岡田ジャパン考察 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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コメント
イレブンさん、コメントありがとうございます。

どこが日本の実力で、
そういう結果になったのか、
もしくは、
なっているのか、
という事は、
やはり正確に把握しておく必要がありますよね。
過小評価でもなく、
過大評価でもなく、
やはりイレブンさんの言われている事が、
現状の日本サッカーの立ち位置であると思う訳です。
そしてその現状から突き抜けるためには、
どうならなければならないのかと言えば、
やはり個の力を伸ばす事でありますよね。
【2010/08/03 22:12】 URL | 管理者jube #-[ 編集] | page top↑
「日本がアウェイのW杯で1回、ベスト16になったからと言って、それも真の実力ではないですよね。本当に真の実力を身に付ける為には、まずは個の力を伸ばすという事なんだ、という事を、やはり大前提にしておかないと、危険だと私は強く思う訳です。」

そのとおりだと思います。
そして、岡田監督は重たかった口をようやく開いて、冷静に正直に現状を語っていると思います。

日本代表が世界のベスト16に入っているかと言えば、それは違うし、少なくともアジアをリードしているかと言っても、クエスチョンマークが付きます。

それでも、今回のW杯のように実際にベスト16に進むことができ、世界の強豪チームとの差も実感できた。可能性としてはベスト8に進んでいたこともあり得た(たらればですが)。
ここに、実力が結果と直結していない、曖昧な、運の要素も多分に含んでいるサッカーというスポーツの面白さがありますね。

個人的には、次回のブラジルW杯のアジア予選はかなり厳しくなると考えています。

南アフリカW杯アジア予選は組み合わせに恵まれて(しかもカタール、ウズベキスタンが自滅)、なんとか2位通過しましたが、オーストラリアには完敗でした。バーレーンにも負けましたし。
なんといっても今回の南アフリカW杯に中東の国が出場していません。

当然、サウジアラビアやイランは巻き返しを計ってくるでしょう。カタールもサッカーに大きく投資しているので、そろそろ成果が出てくるのではないでしょうか。

イラク、中国、ウズベキスタンなど中堅国も侮れない。

前回のアジアカップ準決勝ではサウジアラビアに負けていますし、韓国には2連敗しています。

また、今年のACLはベスト8にJリーグのチームが1チームも残っていない。

日本は決してアジア内でも常勝チームではない。現状、実力的には3~5位と考えるのが妥当ではないかと思います。つまり、場合によっては予選敗退も十分に考えられる。

まあ、20代前半の選手がヨーロッパ移籍するケースが増えているのは良い兆候です。

そして、稲本や小野、中村などヨーロッパでプレーした選手がJリーグに戻ってきているのも、良い影響を与えるはずです。(中田のようにJリーグに戻って来ずに旅人になっちゃったら、トップレベルでの経験をJリーグにフィードバックできない)

次回のW杯アジア予選はシビアな戦いが予想され、面白くなりそうですね!
【2010/08/01 23:57】 URL | イレブン #-[ 編集] | page top↑
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