後編。4バックと3バックはどこが違うの? そしてその機能性の話。
では、どの方法が一番ベストなの? という事について言うと、全て一長一短があって、一概にはどれがベストだとは言えないところがあります。また、1つの問題として、3つ目と4つ目は、結局は4バックと一緒じゃないの? 結局は最終ラインを4枚で守るのと一緒じゃないの? という事があります。

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と言う事は、実際に、純粋な3バックをやりたという場合には、1つ目か2つ目の方法を採るしかない、という事になります。では、ザックはどの方法を採っていたの? という事で言うと、それは、3つ目の方法という事になります。

つまり、実質的には3バックではなかった? その問いに対する答えは「YES」という事になります。「基本的には3バックでも4バックと守備方法は変わらないんだ」とザックは言っていたようですから、まず間違いはないと思います。

そして、それが、「3-4-3」にして攻撃的に、という意図を実現できなかった大きな理由の1つであり、また、もう1つには、これも大きな要素なのですが、3つ目の方法をやるという事は、WBもしくはSHの選手は、どうしても高いポジションを取れなくなってしまう、つまり、どちらのWBもしくはSHも、SB的にプレーしがちになってしまって、それが結局は4バックどころか5バックになってしまう原因となっていた、という事ですね。

と言う事で、4バックと3バックはどこが違うの? という事に対しての私の答えとしては、3バックは超攻撃的(純粋な3バック)、もしくは、超守備的(5バック)、どちらかになりやすい、という特性を持っている。

そして、4バックは、攻撃的、守備的、そのバランスが良いので、高いレベルで機能させられた時には、攻守同時に高い威力を生み出せる。しかし、一方では、高いレベルで機能させられなかった時には、攻守同時にダメ、という事にもなりがち、そういう特性を持っている。という事であります。

でも、3バックでも4バックでも、超攻撃的、超守備的、攻守同時に良い、攻守同時に悪い、という事はあるのでは? という事については、それは3バックか4バックか、というシステムの特性の問題ではなく、個の能力の問題であったり、連携の問題であったり、スタイルの問題であったり、どこにどのような選手を起用するのかという問題であったり、相手の強さの問題であったり、そちらの方の問題となってくるので、3バックと4バックの基本的な特性とは何であるのか? または、その違いとは何であるのか? という事で言うと、前述のようになる、という事であります。

そして、最後に、正確には「3-4-3」ではないのですが、3バックシステムで攻守に高い機能性を発揮していた、しかも、日本人選手だけでそうであった、そういうチームがあった事について書いて終わりたいと思うのですが、それが、黄金期のジュビロ磐田というチームでした。

2トップに高原と中山、トップ下に名波、左WBに奥、右WBに藤田、ダブルボランチに服部と服西、3バックに、左から、山西、田中、鈴木、というメンバーで、その機能性のポイントはどこにあったのかと言うと、それは以下の5つでした。

① 高原と中山の高い起点力と得点力。
② 名波は1.5列目ではなく2.5列目。
③ WBの選手のポリバレント性の高さ。
④ サイドも中央もカバーできるダブルボランチ。
⑤ SBタイプである山西を3バックの1枚として起用。

①。高原と中山の2トップは、高原が中央で起点となり、中山がサイドで起点となる、そういう2トップでした。重要なポイントは、3トップにした時の場合のように、ウイングとウイングバックがお互いにスペースを潰し合う事が無かった、という事ですね。

中山が右サイドに流れて起点となれば、左WBの奥がFWの位置まで上がってプレーする。中山が左サイドに流れて起点となれば、右WBの藤田がFWの位置まで上がってプレーする。つまり、2トップなのですが、そうやって3トップになる事ができていた、という事ですね。

固定的にウイングとウイングバックを置く事になる「3-4-3 ダブルボランチ型」の場合には、どうしてもウイングとウイングバックのプレーするスペースが被ってしまいますが、2トップにして、そのどちらか一方がウイング的にプレーするという場合には、どちらか一方のサイドではウイングとウイングバックのプレーするスペースが被らない、ここがポイントという事ですね。

②。名波はトップ下という事になっていますが、実際には、3ボランチの1枚であったと言えました。つまり、ユニット、トライアングル、それを主に組んでいたのは高原と中山ではなく、服部と福西の方だった、という事ですね。

つまり、実質的には主にどのようなユニットであったのかと言うと、「高原・中山・奥」もしくは「高原・中山・藤田」、そして、「名波・服部・福西」、というユニットであった、という事ですね。

そして、そうする事でどのような機能性を生み出していたのかと言うと、服部と福西がWBの裏をカバーするためにサイドへ守備対応に出た時、もしくは、サイドの対応に出たCBのカバーとして最終ラインに入った時、その時に、名波がボランチの位置に入る事で、「4-2」という形を作っていた、という事になります。

要するに、その時には「3-4-1-2」ではなく「4-2-2-2」になっていた、という事で、この方法を採れば、WBの選手が守備の時に最終ラインまで下がって守備をする必要性が低くなる、という事ですね。

③。当時の、藤田、そして、奥、という選手は、ウイングもできる、トップ下もできる、ボランチもできる、SBもできる、そういうポリバレント性の高い選手でしたから、それが機能性の大きなポイントでもありました。

前述のように中山がサイドに流れれば、その代わりとしてFWにもなれるし、また、2トップと横並びになって3トップになる事もできました。また、名波はトップ下というよりボランチ的にプレーしていましたから、その代わりにサイドから中央へ移動して行って、トップ下としての役割もこなす事ができました。

そして、守備時には、時には中へ絞ってボランチ、時には最終ラインまで下がってSB、そうなる事もできた、という事ですね。また、当時の奥と藤田には、テクニックはもちろんの事、運動量とスピードもありました。

④。福西は攻撃的なボランチというイメージがあると思いますが、当時は、かなり我慢して守備の方を頑張ってやっていました。この服部と福西というダブルボランチが、WBの裏のカバーをしっかりやっていた事、そして、CBがサイドの守備に出ればそのカバーとして最終ラインに入る、それをしっかりやっていた事で、ジュビロの守備は高い威力と安定性を出していました。

そして、そういう事で後ろの5人もしくは6人による守備が強かったからこそ、前の5人もしくは4人はより攻撃に力を使う事ができ、それが、高い攻撃力にもつながっていた、という事ですね。いわゆる、全体の守備力ではなく、ボランチとDFのところの守備力が高い事によって上がる攻撃力、というやつですね。

但し、このボランチとWBのところは、後期には少し変化していて、福西が守備よりも攻撃にプレーの比重を置くようになった、また、それに加えて、藤田の運動量という部分に少し陰りが出てきたので、右のWBには、河村という守備的な選手を起用するようになっていました。

つまり、この時には、「3-4-1-2」というよりは、「4-2-2-2」の変則型としての「3-4-1-2」に近くなっていた、という事ですね。これも1つ4バックと3バックを考える時には大きなポイントとなります。

⑤。3バックのサイドのCBの少なくとも1枚にはSB的な選手を起用する、というのは、3バックを機能させる大きなポイントで、なぜかと言えば、それによって5バックになってしまう事を防ぐ、という事ですね。

鈴木もCBとしてはスピードのある選手で、時にはサイドをオーバーラップするプレーも見せていました。これが3バックの全員がストッパータイプのCBである場合には、どうしても両WBが下がってきて5バックという事になりがちなのですが、サイドのCBがSB的であるならば、その選手がサイドの守備で威力を発揮できるので、結局は4バック的にはなってしまいますが、5バックになる事は避けられる、という事になります。

そういう意味では、ザッケローニも3バックのサイドの選手には、SB的なプレー、そして、スピードが必要だ、と言っていたのに、先日のキリンカップではそこに吉田や栗原という選手を起用していた、そこに少し不可解さを感じるところでもあります。

と言う事で、なぜ最後にこの話をしたのかと言えば、要するに、もしザックが3バックでやりたいと考えているならば、この黄金期のジュビロ磐田というチームがその参考になるのではないか、と考えたからであります。

FW:  本田  岡崎
MF:香川      長友
MF:    遠藤
MF:  阿部  長谷部
DF: 今野 闘莉王 内田
GK:    川島

他にもパターンは考えられると思いますが、例えば、上記みたいな配置にすれば、ザックの意図するものに近くなるのではないか、という事ですね。本田が中央で起点となり、岡崎がサイドに流れて起点となる、そういう2トップ。

岡崎が右サイドに流れれば、「香川・本田・岡崎」、という3トップ。岡崎が左サイドに流れれば、「岡崎・本田・長友」、という3トップ。本田が中盤に下がれば、「香川・岡崎・長友」、という3トップ。という事になります。

そして、基本的な守り方としては、今野もしくは内田がサイドの守備対応に出て、阿部がCBの位置に下がる。また、その時に、それに連動して、遠藤がボランチの位置に下がり、本田も中盤に少し下がる、という方法ですね。

香川と長友は基本的には最終ラインまで下がって守備はしない。また、もちろん、せっかくDFを1枚減らしてFWとMFの数を1枚増やしているのだから、なるべく高い位置からプレスを掛けて行く、という事は絶対ですね。

このようにすれば、ザックが意図しているような、サイドを起点にするような、攻撃的に戦う意図を持った「3-4-3」、というのが実現できるのではないかと思います。「3-4-1-2」が基本フォーメーションですが、これは、下記の形とも言える、という部分で、「3-4-3」、という事ですね。

FW: 香川  岡崎  長友
MF:    本田
MF:  遠藤  長谷部
MF:    阿部
DF: 今野 闘莉王 内田
GK:    川島




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【2011/06/15 11:45】 | システム・戦術論 | トラックバック(0) | コメント(3) | page top↑
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コメント
はじめまして
テレビで遠藤が3バックシステムについてかたってて、3目の3バックが片側によってSHが下がるっていうの説明してたんで、その方式の3バックで確実にあってると思いますよ。
ちなみにそこでは、SHが下がるのはそのSHのサイドに敵がいるときは下がる、いないときは下がらないって言ってました~
あと、1つ質問なのですが、そのテレビで遠藤が、「このシステムならFW3人が守備しなくていいので楽しいと思いますよ」といっていたのですが、そのSHが下がったときにできたスペースってのはだれがカバーするのでしょうか?
よろしくお願いします。
【2011/06/17 11:51】 URL | kin777 #-[ 編集] | page top↑
で,最後に示された例でいえば4バックでいいんですよね.相手との力関係で自動的に5バックになれるんだし,ポジションとれれば4-2基本でサイド+前の方は選手たちの創造性にまかせられるし.
代表クラスの選手たちの海外でのプレーが増えているし,それは望ましいので今現在欧州でスタンダードな形を基本にやっていってほしいと思います.
【2011/06/16 21:59】 URL | KI #mQop/nM.[ 編集] | page top↑
今晩はbachです。
チェコ戦の3-4-3はあまり機能していませんでしたね。従来なら両サイドバックが走りこんでボ-ルを受けドリブルをしてセンタ-に流し込む動きがほとんどありませんでした。つまり長谷部を起点とした従来の動きがありませんでしたね。サッカ-ってボ-ルの出してと受けてのコミュニケ-ションですからバランスが崩れていた気がします。3-4-3の場合元々高い位置で張っているのですから攻撃のための早いパス出しが必要になるわけですがその辺の意識合わせが今後必要と思われます。オプションとしてはいいかもしれませんが選手間の意識合わせが必要と思われます。
【2011/06/15 22:08】 URL | bach #-[ 編集] | page top↑
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