なでしこジャパンが優勝できた理由は? 長所では相手を上回る。短所では最低限のレベルを身に付ける。きっかけを生んだイングランド戦。
日本人選手の長所はやはりテクニックと運動量(スタミナ)。まず、運動量(スタミナ)、という事で言うと、北京五輪の時には、なでしこジャパンが尽きない運動量(スタミナ)を見せたのは、グループステージ第3戦のノルウェー戦、準々決勝の中国戦、この2試合だけでした。初戦のニュージーランド戦では全く足が動かなかったし、第2戦のアメリカ戦でも運動量が上がらず完敗しました。

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そして、準決勝のアメリカ戦と3位決定戦のドイツ戦では、前2試合での疲労が蓄積してしまい、粘り強い戦い方ができず、相手のパワーとスピードの前に破れてしまいました。やはり、パワーとスピードで強豪国を上回れない日本の場合には、どうしても粘り強さというものが必要で、その粘り強さを生む運動量(スタミナ)というものが必要で、それが無かったらまともに戦う事すらできない、という事を痛感した のが北京五輪という大会でした。

ところが、今回のW杯では、なでしこジャパンは、5試合を通じて尽きない運動量(スタミナ)を発揮しました。唯一、グループステージの第3戦のイングランド戦だけ、もうグループステージ突破という事が決まっていたためか、粘り強い戦い方というのができませんでした。しかし、それ以外の5試合では、120分を戦った試合が2試合ありましたが、それでも最後まで粘り強く戦う事ができていました。

1試合、90分、120分、それを粘り強く戦い抜ける運動量(スタミナ)という事もそうですし、また、大会を通じて何試合もそれができるスタミナを持つという事、それが日本という国のサッカーには必要であり、それがあれば、世界の強豪国とも互角以上に戦って行ける、という事が証明されたように思います。なでしこジャパンの今回の優勝は、やはりここが一番の理由だったのではないかと思っています。

但し、今回のなでしこジャパンで凄かったところは、ただ一人一人の運動量が豊富だった、という事だけではなく、それにプラスして、無駄走りという事が本当に少なかった、というところだったと思っています。全ての試合を通じて、無駄走りが多い、運動量過多になっている、そのように感じる事はありませんでした。これはとても重要なポイントだったように思います。

相手の技術不足という事もあって、1人、2人、とプレスを仕掛けて行けばボールを奪う事ができましたし、また、闇雲にハイプレスを仕掛けるのではなく、下がってブロックを作って守るべき時には全員がそれをしっかりやっていた、この個々の判断力や組織性があったからこそ、運動量(スタミナ)を必要以上に浪費する事なく戦えた、これは見逃してはならないポイントであるように思います。

どれだけ運動量(スタミナ)を高めても、相手の2倍も3倍も走るという事は不可能でありますし、仮にそれができた試合があったとしても、必ずその代償はその先にある試合で負う事になるので、運動量(スタミナ)を高める事と同時に、いかにその運動量(スタミナ)を効率良く使うのか、なるべく浪費しないように戦うのか、それが重要なポイントになってくるように思います。

そして次が、テクニック、という事ですね。今大会のなでしこジャパンというのは、華麗なパス回しで相手を翻弄した試合もありましたし、それが世界の観客を魅了しましたが、それよりも、決定力が高かった、という事が素晴らしい事だったように思います。初戦の永里のゴール。宮間のFKによるゴール。メキシコ戦の大野ゴール。ドイツ戦の丸山のゴール。スウェーデン戦の川澄の2得点目。アメリカ戦の宮間のゴール。そして、5得点した澤のゴール。全てがスキルフルなゴールでした。

パワーとスピードで戦ってくる相手と戦う場合には、それを「いなす」という事が一番で、相手にパワーやスピードがある事を利用して逆を取る、という事が一番で、その巧みなテクニックできっちりゴールを決め続けてきた、それが今大会のなでしこジャパンの強さの大きな1つであったように思います。特に、メキシコ戦の大野ゴール、アメリカ戦の宮間のゴール、この2つというのは、巧い! と思わず声が出てしまうようなゴールでした。

と言う事で、なでしこジャパンが優勝できた理由は? という事について、テクニックと運動量(スタミナ)で相手を上回れたからだ、という事を述べてきました。しかし、だからと言って、そこだけを高め続ければOK、という事でもないと思っています。これは長所を伸ばすという部分で、しかし、やはり恒常的な強さを身に付けるためには、短所を補う、という事も絶対に必要だと思っています。

今回のなでしこジャパンの選手たちには、過去には無かった競り合いの強さと高さもありました。まだまだその部分に関しては、世界の強豪国のレベルには達していませんが、それでも優勝を勝ち取れるぐらいの最低限の競り合いの強さと高さはありました。その筆頭が澤と熊谷ですね。澤が中盤のところで空中戦で競り負けない、これはとても大きな事でした。澤をボランチに起用した最大の効果は、中盤のところで空中戦で競り負けない、そこにあったのではないかと思っています。

確かに、ビルドアップ、という部分でも効果はありましたし、澤が3列目のところから攻撃参加できる、という効果もありましたが、中盤のところ、DFラインの前のところ、そこで空中戦で相手のボールを弾き返して行ける、ヘディングで競り勝って味方にボールを繋げる、マイボールにできる、これが本当にチームを助けているな、という事を強く思いながら観ていました。

それから、日本の女子サッカーの最大の弱点と言えば、やはりCBのところの高さ、1対1での競り合いの強さ、というところでしたが、それを埋めるピースとなってくれたのが、熊谷という選手だったと思います。もちろん、まだまだ個の力で、強豪国のCBと肩を並べた、強豪国のCFを上回れるようになった、とは言えないとは思いますが、しかし、前述したように、そういう相手にも簡単にはやられない程度の競り合いの強さや高さはあった、という事が大きかったと思っています。

それぐらいの個の力があれば、後は、もう1人のCBとの連携であったり、GKとの連携であったり、チーム全体として、とにかくクロスボールを入れさせない、とにかくPA内にボールも相手も入れさせない、そういう守備ができていれば粘り強く守り切る事ができますから、重要なのは、パワーやスピードや高さでも強豪国を上回れ、という事ではなく、簡単にはやられない、という最低限のレベルぐらいにはその短所を補う必要はある、という事だと思っています。

長所では相手を上回り、短所では最低限のレベルを身に付ける、これが重要な考え方なのではないかなと思います。従って、今回のなでしこジャパンの優勝というのは、奇跡でも何でもなく、それができていたからこその、実力での優勝だったように思います。他の強豪国にも優勝の実力は十分ありましたが、今大会は、その実力を持つ国の中で日本が優勝した、という事であったように思います。

そして最後に、前述してきた事とはまた別の要素として、なでしこジャパンが優勝できた理由は? という事に関して言うと、イングランド戦、ここが大きなターニングポイントになったなと思っています。もしイングランド戦というものが無しにドイツと対戦していたら、イングランド戦のような敗戦になっていた可能性というのは大きかったのではないかなと思っています。

イングランド戦でシミュレーションできた。そこで、欧州やアメリカのような強豪国と戦うにはどうすれば良いのか。何をしなければ守れないのか。何をしなければ得点を取れないのか。どう戦えば勝てるのか。それがとても明確になった。その事が、かなり大きかったように思います。優勝するには、どんなチームであっても、大会中の成長、大会中のチーム力の高まり、というのが必要不可欠であると思いますから、そのきっかけがイングランド戦にあった、そのように思っています。




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【2011/07/19 11:45】 | なでしこジャパン | トラックバック(0) | コメント(4) | page top↑
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【2011/07/25 19:50】 | #[ 編集] | page top↑
宮間選手の落ち着き
イングランド戦の敗戦から学べたことは大きいですが、直接的には一点目の得点の場面で、アメリカの守備の乱れにつけ込んで、宮間選手が的確に得点したことが最も大きかったと思います。(これがなければ、0-1で試合が終わっていた。) アメリカのディフェンダー2人が明らかに慌てていたように見えたのは、彼女が過剰に警戒されていたからでしょうか。

ちなみに、アメリカのゴールキーパーのホープソロ選手がテレビ番組で、宮間選手と友達であることを明かしているのを見ました。 対戦前に「お互いに試合で何があってもこだわらないようにしよう」というメールをもらったとか、試合後に自分達の勝利を喜ばないようにアメリカ選手に気を遣ってくれたとか述べていました。
【2011/07/21 15:26】 URL | もえおじ #-[ 編集] | page top↑
本当に、なでしこはすばらしかったですね!
みんな冷静に落ち着いたプレーができていてかっこよかったです
【2011/07/20 15:26】 URL | シェイ子 #mQop/nM.[ 編集] | page top↑
僕も同じような見方です。
あとは無駄なパス回しを減らす、パスを回してもいいんでしょうけど、横パスのスピードを上げればもう一段階上のステージにいけるのかなと思いました。
五輪予選も頑張って欲しいですね。
【2011/07/19 23:44】 URL | d #-[ 編集] | page top↑
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