グループステージ編。佐々木則夫監督の采配にも注目しながら、なでしこジャパンの戦いを振り返る。
まず、ニュージーランド戦ですが、スタメンは、海堀、近賀、岩清水、熊谷、鮫島、阪口、澤、大野、宮間、安藤、永里、でした。今大会このスタメンはほぼ固定であり、代えたのは2トップの1枚だけ。準決勝のスウェーデン戦と決勝のアメリカ戦で、永里の代わりに川澄を起用した、という事だけでした。

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そういう意味では、試合毎にニューヒロインが誕生した、という事もそうですが、それともう1つ、特に主力選手に、怪我で離脱するような選手、累積警告で出場停止になるような選手、そういう選手が1人も出なかった、という事も大きかったなと思います。

そして、ニュージーランド戦での采配という事で言うと、岩淵の投入、これが大きなポイントとなりました。前半6分に先制点を挙げた日本でしたが、前半12分には同点に追い付かれていて、その後はどちらが勝ってもおかしくない展開が続いていました。

しかし、後半、流れを日本の方に持って来るために、大野に代えて岩淵を投入。これはやはり、フィジカルには優れていてもアジリティには優れていない、そういう相手との戦いが多くなる、という事を見越しての、事前から用意していた作戦だったと思いますが、それが見事に成功したと言えると思います。

投入直後から、岩淵のドリブルでの仕掛けがニュージーランドの選手を苦しめ、それで一気に日本の方に流れが来るようになって、岩淵の投入から13分後の後半23分、その岩淵のドリブルの仕掛けからFKを獲得し、それを宮間が決めて逆転、という事になりました。

そして、後半31分には永里に代えて丸山、後半ロスタイムには安藤に代えて田中明日菜、という交代采配を行って、そのまま日本がスコア「2-1」で勝利、という事になります。前線や中盤での運動量や仕掛けの威力を最後まで落とさないために、大野とFWのところを交代させる、というのは、今大会を通じての、佐々木監督の一貫した采配でもありました。

続くメキシコ戦に関しては、大野の素晴らしいゴール、澤のハットトリック、そして、華麗なパス回しを見せた戦い方、という事があって、ここで一気に、なでしこジャパンに対する世界の注目度や評価が高まった訳ですが、今大会、日本が対戦した国の中では、メキシコだけが少しカラーの違うチームで、日本にとっては、最も戦い易い相手だったかなと思います。

采配としては、後半25分に、安藤に代えて岩淵、大野に代えて川澄、という2枚代えを行って、もう前半終えたところで既にスコアは「3-0」になっていましたが、それでも前線や中盤での運動量や仕掛けの威力を最後まで落とさない、という采配は行いました。後半38分にはハットトリックの澤に代えて宇津木も投入しました。

そして、グループステージ最後の試合となったイングランド戦ですが、ここでの敗戦で学んだ事が多くあり、それが優勝という事に大きな役割を果たしたと思っています。1つには、競り合いを絶対に怖れてはいけない、また、競り合い方を工夫しなければならない、という事ですね。

いくら相手の方が体格的に勝っているとは言っても、相手はゾウでもなければ戦車でもなく、人間なので、正しく上手く身体を使えば、ぶち当たられても大きなダメージは受けないし、また、体格差ということ関係無しに、もしくは、体格的に小さいということを利用して、競り勝つ事もできる、という事ですね。

2つには、守備では、とにかくクロスボールを上げさせない、なるべくPA内に人もボールも入れさせない、という事を徹底してやる必要がある、という事ですね。なでしこジャパンの場合には、まともにゴール前で勝負したら絶対に勝てないので、その前の段階のところ、そこでいかにして相手の攻撃を止めるのか、そこが守備の生命線になる、という事ですね。

また、男子の場合と異なって女子の場合には、強豪国であっても足元の技術というのはまだ未熟なところがあって、従って複数でプレスを仕掛けて行けば、相手がどこであってもそこからのパス出しを封じられる場合が少なくないので、それならば、なでしこジャパンはそれを徹底的にやる事が最善の戦い方になる、という事ですね。

3つには、攻撃では、もっとサイドを使って攻撃する、という事ですね。更に言えば、もっとゴールの近くのサイド、PA内のサイドのエリア、そこを使って攻撃する、という事ですね。パスでも良いしドリブルで良いので、とにかくPA内のサイドのエリア、そこを狙い所とした攻撃をする必要がある、という事ですね。

いくら日本のテクニックやチームとしてパス回しが優れているとは言っても、強豪国を相手にして、強引に中央突破して得点が取れてしまう程ではないので、それにはテクニックだけではなく、ある程度はフィジカルの強さやスピードでも相手を上回れる必要があるので、なでしこジャパンの場合には、特にサイドを使って攻撃して行かないと厳しいところがありますよね。

しかし、ただサイドから攻撃すれば良いのかと言えばそうではなくて、アーリークロスを放り込んでも強豪国相手にはほぼ競り勝てないですし、また、ゴール正面ところを一発で狙うような攻撃をしても通用しないですよね。イングランド戦に関して、攻撃を急ぎ過ぎた、と選手は試合後に述べていましたが、つまりそういう事ですよね。

従って、短い距離をスピードのあるボールでグラウンダーでセンタリング、それが可能な場所、更には、DFやGKが最も対応に困る場所、つまり、PA内のサイドのエリア、そこを狙い所とした攻撃をする事、それができないと、なでしこジャパンは強豪国から得点を奪えない、という事でありました。

ドイツ戦の丸山のゴール。スウェーデン戦の川澄の同点ゴール。アメリカ戦の1点目の丸山のところ。アメリカ戦の澤のゴール。ゴールを生んだゾーンは全てPA内のサイドのエリアでした。なかなかそこにドリブルで切り込んで行ってセンタリング、という攻撃はできませんでしたが、しかし、そこを上手く使った攻撃というのはできていたかなと思います。

と言う事で、グループステージでの3試合を振り返ってきました。ポイントは、佐々木監督の交代采配というのは、前線や中盤での運動量や仕掛けの威力を最後まで落とさないために行われていた事がほとんどだった、という事と、チームとしては、イングランド戦での敗戦で多くの事を学べた、という事でした。




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