システムが在るようで無い。という事ではない。ズレをシステムに組み込んでいる。という事。
バルセロナのサッカーを評する時に、その柔軟なシステムに驚く、だとか、「4-3-3」だの「3-4-3」だの、そういうシステム論は意味が無い、とか、そういう評をよく目にするのですが、個人的には、なぜそういう方向性へ話を持っていくのか、よく理解できないところがあります。バルサには、きちんとしたシステムがあります。但し、ズレをシステムに組み込んでいる、という事ですね。

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グアルディオラのバルサの出発点はこれ。

FW:ビジャ             ペドロ
MF:   イニエスタ メッシ シャビ
MF:        ブスケツ
DF:アビダル  ピケ  プジョル  アウベス
GK:        バルデス

なぜここが出発点なのかと言えば、これが完成形だから。これが、グアルディオラが見つけたバルサの完成形だからですね。ポイントは3つ。

① サイドの高い位置に選手を配置する。なぜならば、ポゼッションを機能させるため。相手のプレスをサイドにボールを預けることで避ける。ピッチを横幅いっぱい広く使う事で、相手の守備を広げさせる。相手が中央コンパクトにしてきても、サイドの高い位置からDFラインの裏という、守備ブロックの外から外へ走るという、斜めのラインの最短距離でそれをできるようにするため。

② ゼロトップである。正確にはCFがいないという事。なぜそうするのかと言えば、中盤の人数を増やして、そこでの威力を高めるためと、ゴール前に入って行く選手、つまりは、CFの選手を固定させないことによって、相手にマークする対象を決めさせないようにするため。

③ 4バックのような3バック。3バックのような4バック。であるという事。これはシステムが無いという事でも、柔軟であるという事でも無い。単純に、3バックと4バックを併用させたシステムである、という事。これは、黄金期のジュビロ磐田でも採用されていたし、トルシエジャパンでも採用されていて、スライド方式の3バック4バック併用型というのは、特に新しいものではない。

もちろん、バルセロナの強さというのは、システム云々という事だけではない。それは確かですね。メッシという絶対的な存在がいるという事。それはトータルフットボールには必要不可欠。また、個々の選手の技術力やオフザボールの動きの質の高さ、それが他クラブの選手を上回っているという事は、やはり一目瞭然だと思います。

但し、その個々の選手のパフォーマンスの高さがあるからと言って、システムが無いという事ではない。やはりそこにはきちんとしたベースとなっているシステムがあって、それが前述の3つのポイントの部分ですね。後は、どんなに形を変えようと、選手の配置を変えようと、前述の3つのポイントだけは変えていない。そこがグアルディオラのサッカーであり、表現を変えれば、グアルディオラの哲学である、という事ですね。

FW:イニエスタ   サンチェス   メッシ
MF:     セスク     シャビ
MF:        ブスケツ
DF:アビダル  ピケ  プジョル  アウベス
GK:        バルデス

これが先日のクラシコのスタート布陣。ここから、

FW:イニエスタ   サンチェス
MF:     セスク     メッシ
MF:     ブスケツ    シャビ
DF:アビダル  ピケ  プジョル  アウベス
GK:        バルデス

こういう感じになっている事が多かった。しかし、グアルディオラが狙っていた形というのは、

FW:サンチェス   メッシ   アウベス
MF: イニエスタ  セスク  シャビ
MF:       ブスケツ
DF:  アビダル  ピケ  プジョル
GK:       バルデス

FW:サンチェス         アウベス
MF:  イニエスタ セスク メッシ
MF:    ブスケツ  シャビ
DF:  アビダル  ピケ  プジョル
GK:       バルデス

FW:サンチェス            アウベス
MF:  イニエスタ セスク メッシ シャビ
MF:         ブスケツ
DF:   アビダル  ピケ  プジョル
GK:        バルデス

こういう形。ところが、レアル・マドリードのハイプレスが強かったので、アウベスが思ったように右の高い位置へは行けず、また、イニエスタが思った以上に左の高い位置に張っていたので、意図していたこういう形にはなれずに、

FW:イニエスタ   サンチェス
MF:     セスク     メッシ
MF:     ブスケツ    シャビ
DF:アビダル  ピケ  プジョル  アウベス
GK:        バルデス

こういう感じになっている事が多かった訳ですね。そこで後半は、

FW:        サンチェス
MF: イニエスタ   メッシ   アウベス
MF:      セスク   シャビ
DF:アビダル  ブスケツ  ピケ  プジョル
GK:        バルデス

こういう形に変えてきた。しかし結局これは、

FW:サンチェス   メッシ   アウベス
MF: イニエスタ  セスク  シャビ
MF:       ブスケツ
DF:  アビダル  ピケ  プジョル
GK:       バルデス

FW:サンチェス         アウベス
MF:  イニエスタ セスク メッシ
MF:    ブスケツ  シャビ
DF:  アビダル  ピケ  プジョル
GK:       バルデス

FW:サンチェス            アウベス
MF:  イニエスタ セスク メッシ シャビ
MF:         ブスケツ
DF:   アビダル  ピケ  プジョル
GK:        バルデス

こうなる事を狙っていた、という部分では同じですね。違いは、アウベスが上がってそうなろうとするのか、ブスケツが上がってそうなろうとするのか、というだけ。しかし、アウベスが上がってそうなろうとしたところ、そうなれなかったので、ブスケツが上がってそうなろうとする方に変えた訳ですね。なぜそうしたのかと言えば、①をやりたいからですね。

そしてこれは、③の部分も変えた訳ではない。ブスケツが最終ラインに降りてくれば、アビダルもしくはプジョルはサイドにスライドする方式だからですね。但し、ブスケツを動かす方というのは、守備的になりやすい、という事があります。なぜならば、ブスケツが最終ラインに降りた場合には、2列目の選手も3列目へ降りてこなければならないから。つまり、

FW:        サンチェス
MF: イニエスタ   メッシ   アウベス
MF:      セスク   シャビ
DF:アビダル  ブスケツ  ピケ  プジョル
GK:        バルデス

こういう形になりやすいので、必然的にカウンター寄りのサッカーになる、という事ですね。つまり、グアルディオラのサッカーというのは、スライドを使ったズレ、そして、スタートポジションとは異なる位置で多くの選手が主にプレーするというズレ、それを組み込んだシステムをやっている訳で、決して、無形であるとか、「4-3-3」も「3-4-3」も関係無いとか、そういうものではない訳ですね。

この、ズレを意図しているシステムである、という部分を認識できないと、何だか形がよく分からない、だから無形だ、変幻自在だ、グアルディオラのサッカーには「4-3-3」とか「3-4-3」とか、形は関係無いんだ、とか、そういう誤認をしてしまうものと思います。

前述した3つのポイント、それをベースとして、そこは変えない、それがグアルディオラのシステムであり、それを、「4-3-3」でも「3-4-3」でもやっている、最初はどちらの形であっても、やることを意図している、狙っている、という事ですね。従って、「4-4-2」もしくは「4-4-1-1」的な形にしたとしても、根幹部分は同じ、という事ですね。

更には、グアルディオラのサッカーのベースは、

FW:ビジャ             ペドロ
MF:   イニエスタ メッシ シャビ
MF:        ブスケツ
DF:アビダル  ピケ  プジョル  アウベス
GK:        バルデス

このシステムという事。

ここから、最初から空けておくのではなく、最初はそこに選手を置いて、そこからズレさせる、というのが、CFを置いている形。しかし、そこにスペースを空ける、という意図は変わらない。そして、アウベスを上げる、ブスケツを上げるという、その違いはあっても、①を意図している、という事は変わらない。つまりは、きちんとグアルディオラのサッカーにも決まったシステムはあるし、「4-3-3」か「3-4-3」か、という事も重要になっている、という事ですね。

それで、失敗もありました。それは、ブスケツが下がって3バックになる方法ですね。4バックからブスケツが上がって3バックになるのではなく、ブスケツが下がって2バックから3バックになる方、これは失敗しました。その理由は、ブスケツの上下する判断が難しく、上がっている事が多くなれば2バックに、下がっている事が多くなれば5バックに、なってしまうからですね。

2バックにならないようにすると、SBが高い位置へ行けなくなるので、①と②をやるのが難しくなってくる。5バックにならないようにすると、2列目が3列目でプレーしなければならなくなるので、②をやるのが難しくなってくる。つまりは、③のことをやらない方法でやったことが、その失敗の理由だった事になります。3バックのような4バック。4バックのような3バック。ではなく、2バックのような5バック。5バックのような2バック。そうなってしまっていた、という事ですね。

結局、グアルディオラのサッカーを理解するというのは、そんなに難しい事ではなくて、前述した3つのポイントを意図している、というだけ。そして、ズレを組み込んでいるシステムだ、というだけ。何も難しく考える必要はなくて、そのことを実行できる選手がいる、というだけですね。そして、システムは無いのではなく、意味が無いのではなく、きちんとしたシステムが大前提としてそこにあって、そこから少し選手の配置や形を変えているだけ、だから機能する、という事ですね。




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