なぜ日本人FWが得点を取れないのか? 日本サッカーの組織力をもっと高めるためにはどうすれば良いのか?
日本人FWの大きな特徴の1つは、個人での打開力が無い事。つまり、個人技だけで得点を取ってしまう能力が低い、という事ですね。日本人選手には優秀なパサーが多い。しかしその事が、FWの「個人技だけで得点を取る」という能力の必要性を低下させ、もっと言えば、それを悪とするようなところもある。やはりこの文化というのは、変えていかなければならないと思っています。

記事を読む前に、
◎ サッカー人気blogランキング ◎
○ にほんブログ村 サッカーブログ ○
○ サッカー FC2 Blog Ranking ○
上記3ヶ所への応援クリックを宜しくお願い致します。

日本代表においては、クオリティのあるラストパスを配給してくれる選手が揃っているので、岡崎の動き出しの良さというのが最大限に活かされ、多くの得点を取る事ができています。つまりは、きちんとボールを受けられさえすれば、後はシュートを決めるだけ、という所までパサーがお膳立てしてくれる、という事ですね。だからFWには「個人技だけで得点を取る」という能力があまり必要とされてこない。

ところが、海外の場合には、そこまでやってくれるパサーはあまり存在せず、むしろ、そこからは個人技で得点まで持って行ってくれ、という感じのパスを出す事が多い。これは、どちらが正しいのか正しくないのか、という事ではなく、そういう文化だ、という事ですね。つまり、ここが、日本人FWが海外でなかなか活躍できていない、MFの選手と比べると活躍できていない、その主な原因なのではないかと思っています。

岡崎の場合、やはりシュツットガルトでも、動き出しの良さというのは発揮されています。それに加えて、最近では、以前よりも前に行く意識、得点を狙おうという意識が高く、岡崎らしさというのが発揮されているように思います。ところが、日本代表であれば、岡崎へのパスというのは、後は決めるだけ、という段階で出されて来るのが多いのに対し、シュツットガルトでは、その一歩手前の段階のところでパスが来る。ここが大きなポイントになっていると思います。

しかし、この「一歩手前」というのは、日本人の感覚からすればそうなるのですが、海外の感覚からすれば、それがラストパスになってくるのだと思っています。つまり、そこから個人技で打開する、という事を想定しているのが海外のラストパスで、そこから後は決めるだけ、という事を想定しているのが日本のラストパスである、という事ですね。

だから、岡崎もそうだし、森本などもそうですが、日本人FWというのは、なかなか得点を取れない。最後のところは個人技でシュートまで持って行き、決める、という能力が欠けているので、なかなか得点を取れない。日本人の感覚だと、なぜ良い動きをしているのに代えるんだ、なぜ良い動きをしているのに使われないんだ、と思うのですが、海外の感覚だと、個人技で打開できていない、最後のところでの個人技が欠けている、そこがやはり気に入らない、という事になるのだと思います。

つまり、私が、岡崎に対して、ドリブルの力が足りない、最後のところで自分で1人や2人をかわして決める力が足りない、と書くのは、または、森本に対して、シュート力(パワーとテクニック)が足りない、PA内での最後シュートを決めようとするところの一連の能力が足りない、と書くのは、そういう事ですね。そして実はこれは、FWだけではなく、どのポジションの日本人選手に対しても言える事だと思っています。

SBの長友と内田。明暗を分けているのは何であるのか? 私は、ドリブルだと思っています。最近の長友にはドリブルの威力がある。しかし、内田の大きな課題と言えば、やはりドリブル。サイドで1対1になった時に抜けるのか抜けないのか。ここはとても大きい。また、ドリブルに威力があれば、深いところまで切り込める。しかし、ドリブルに威力が無いと、どうしてもセンタリングが遠い位置や浅い位置からになってしまう。この差はとても大きいですよね。

特に、最後は個人技で打開する、という事を想定している海外の場合には、そこが大きな差になってくると思っています。パス、パス、パス、で崩し、最後もドリブルを使わずにシュート、という攻撃を志向する事が多い日本のサッカーとは違い、ラストプレー、ラス前のプレー、更にその1つ前のプレー、どこかではドリブルで打開する事、個人技で打開する事、それを想定した攻撃を志向する事が多いのが海外のサッカーで、ここはとても大きなポイントであると思っています。

そして、なぜ海外ではそうなのかと言えば、それが、数的優位を作るため、もしくは、少ない人数でも得点を取れるようにするため、という事ですね。どこかの段階の局面を個人技で打開できれば、他のどこかの段階の局面では数的優位を作る事ができる。もしくは他の場所の局面では数的優位を作る事ができる。更には、最も数的不利になりやすい場所である相手のPA内、そこで決める必要性、という事ですよね。

バルサのサッカーに、トータルフットボールに、なぜ圧倒的な、飛び抜けた、強い個の力を持つような選手、クライフやメッシのような選手が必要不可欠なのか? それは、そういう、1人で2人や3人を相手にできる選手、2人や3人に囲まれてもボールを奪われない選手、2人や3人に囲まれてもそこを突破できる選手、そういう選手がいる事で、他の段階や局面で数的優位を作りやすくなるから、という事ですよね。

バルサはメッシシステムである。これは大きく間違っていないと思います。しかし、その意味は、メッシを活かすためのシステムである、メッシのためのシステムである、という事ではなく、メッシが他の選手を活かすためのシステムである、メッシがいる事によって他の選手が活きるシステムである、という事で、ここが重要なところだと思っています。

メッシをサイドに張らせる形というのは、メッシを活かすシステム。しかし、メッシを中央でプレーさせるというのは、メッシが他の選手を活かすシステム。グアルディオラが見つけた完成型というのは、メッシを活かすシステムではなく、メッシが他の選手を活かすシステム。つまり、メッシを活かすシステムではなく、メッシが他の選手を活かすシステム、そう変えたという事が、そうする事が良いと気がついた事が、グアルディオラの凄さですね。

バルサの試合を観ていて、イニエスタもシャビもセスクも要注意選手なのに、なぜそういう選手たちがフリーになっている事があるのか? と疑問に思った事はありませんか? なぜならば、そういう選手たちも危険だと分かっていても、メッシには2人や3人で対応しないとダメなので、そうなると、どうしてもイニエスタやシャビやセスクのような選手にまで付ききれない、フリーにしてしまう、という事ですね。だから、メッシを活かすシステムではなく、メッシが他の選手を活かすシステムである、という事ですね。

という事で、なぜ日本人FWがなかなか得点を取れないのか? なかなか活躍できないのか? というところから、数的優位についての考え方、バルサにおけるメッシ、メッシがいるバルサ、というところまで書いてみました。話があちこちに行っているようですが、しかし、言いたい事は一つで、日本人選手は個で局面を打開する能力をもっと高めるべき、という事ですね。

そうなる事でもっと日本人選手が海外で活躍できるようになる、というのは言うまでもなく当然の事、更にもっと重要な事は、そうなる事でもっと日本のサッカーが高いレベルのシステムを使いこなせるようになる、もっと高いレベルの組織力を身に付ける事ができるようになる、という事であり、これは、攻撃的なサッカーを望むならもっと守備力を、という事と同じですね。高い組織力を望むならもっと個の力を、という事でもあります。




このブログは皆様の応援で継続されています。
記事の内容が「興味深い、賛同できる」と思いましたら、


◎ サッカー人気ブログランキング ◎

○ にほんブログ村 サッカーブログ ○

○ サッカー FC2 Blog Ranking ○

上記3ヶ所への応援クリックを宜しくお願い致します。


【2011/12/28 11:45】 | システム・戦術論 | トラックバック(1) | コメント(2) | page top↑
<<シンプルでも手堅く完成度の高いサッカーをしているFC東京。セレッソには若手の成長を来季にも期待。【FC東京vsセレッソ大阪】 | ホーム | 長友の素晴らしい成長。ドリブルでの仕掛け。センタリングの質。ヘディングの強さ。【インテルvsレッチェ】>>
コメント
承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
【2012/01/01 13:35】 | #[ 編集] | page top↑
こんにちは
いつも楽しく読ませてもらってます。
今回の記事、自分の中のモヤモヤを言い当ててもらったようでスッキリしました。
管理人さんだけではなく、テレビやネットの意見でも「なぜ日本人はいい動きをしているのに、、」という趣旨のことを言う人は多いと思います。
例えば中田英寿も過去に森本について言っていましたし、またそれの解決策としてもっと良いパサーのいるチームを選ぶべき、又はもっと自己アピールすべき、という意見もよく耳にします。
ですが、それはやっぱり日本サッカーのことを考えると根本的な解決にはならないですよね。この記事でも言われている通り、数的優位を作るための一対一の個人技であり、それはやはり味方のフォローの動きと同列に語られるべきだと思います。つまり局面局面での評価が大事であり、そこで考えたとき日本人はこういう能力が足りないから海外では活躍できないよね、という正に管理人さんの言われるような批評がされるべきだと思うのです。

もっとサッカーについて語るとき、中立的な立場での論理的分析、討論する場面というものを見てみたい気がします。なにかこう、日本人がやりたいサッカーが正解というのが前提にあって、そこからチーム、選手の分析、批評をすることが多い気がするのですが、そうではなく、チーム、選手がこういう戦術、選択をするからこういうメリット、デメリットがあり、だからこのような意見、評価になる、というものがあればもっと面白いし、もっと皆のサッカーの対しての理解が深まっていくのではないかなあと思います。
バルセロナについての分析はとても面白かったです。これからも鋭い分析よろしくお願いします。
【2011/12/30 14:22】 URL | ねこねこ #-[ 編集] | page top↑
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
→http://kodahima.blog71.fc2.com/tb.php/2059-c44301ad
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
強い個は周りを活かす
スポーツとビジネスは似ている部分が多い。僕はサッカー好きなので色々サッカー関連の記事を読む。その中で、現世界最強のバルセロナについて非常に面白い考察をしている記事を見 ... 木も見て森も見て、起業する(そのうち)【2011/12/30 00:02】
| ホーム |