揺れる横浜Fマリノス
浦和レッズやガンバ大阪が黄金期を迎える一方で、チームの不振に喘いでいるクラブがある。横浜Fマリノスだ。ここ数年の低迷、中心選手たちの大量放出、新任監督の賛否、様々な問題が噴出してきている。

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問題は横浜Fマリノスが優勝した時からスタートしたように思う。岡田武史監督のもと、中澤、松田、という日本代表(当時)のDFを用し、守備的なスタイルで優勝を勝ち取った。その次のシーズン、岡田監督は守備的なスタイルからの進化を目指し、3バックから4バックにシステム変更するなど攻撃的なマリノスを模索した。しかし、その試みは脆くも途中で挫折し、シーズン途中には再び守備的なスタイルへと戻すことになる。再び守備的なスタイルへ戻したマリノスは、チャンピオンシップで浦和レッズと戦い、見事勝利を手にし、2年連続の年間王者へと輝いた。
そして次のシーズン。マリノスはACLで勝ち進むということを目標に据え、日本代表経験者を中心とした中堅ベテランの即戦力を大量に補強。しかし、いざACLに挑む時になると、中心選手が相次いで故障やコンディション不良を起こし、ACLで予選突破すらならなかった。そのままシーズンリーグに入っても戦力が整わず、さらに若手選手が次々と移籍し、選手のモチベーションが上がらないまま不本意なシーズンとなった。そして2006年も、中心選手の故障、チーム全体の倦怠感というのは払拭されず、中位に低迷してシーズンを終えてしまった。

① 「守備的から攻撃的へのスタイル変更の失敗と岡田監督の限界」

② 「怪我、コンディション不良、モチベーションの低迷、など選手たちの倦怠感」

この2つが「揺れる横浜Fマリノス」の発端であったと思う。守備的なスタイルをもつクラブというのは、優勝した時点で、批判にさらされることが多々あります。優勝クラブがガチガチの守備的スタイルで次のシーズンも戦うことは「面白くない」と、どうしても言われてしまいます。「戦い方が王者らしくない」と。だから、岡田監督の決断自体は正しいものだったと私は思っていますが、問題は、岡田監督自身が攻撃的なスタイルの使い手ではなかったことだと思います。また、メンバー的にも攻撃的なスタイルを得意とする選手が集まってはいませんでした。従がって、この時点で、岡田監督、そして選手たちは大きな壁にぶち当たってしまったことになります。これが①です。
そしてこのことが原因となって②の問題が起こってきます。進化に失敗した選手たちはモチベーションを失ってしまいました。勝つことで、優勝することで手放しの賞賛が得られると思ったがそうはならず、それならばと攻撃的なスタイルへの変化を模索したが(選手たちには自信があったと思う。自分たちは攻撃的なサッカーでも勝てると)失敗に終わってしまった。これにより、自分たちに限界を感じてしまった選手たちは怪我を繰返したり、コンディション調整を怠ったり、勝利に対する喜びを失ってしまったように感じた。本人たちに尋ねれば「そんなことはない、常に勝ちたいと思っている」と言うだろう。しかし、選手たちのモチベーションの低さは、ファン、フロント、コーチ、そして岡田監督の目から見ても明かだった。

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そして2006年、フロントは大きな決断をすることになる。それがまた「揺れる横浜Fマリノス」の問題を大きくしたように思う。まずは岡田監督の辞任。これは仕方なかったと私は見ている。自分のサッカーに限界を感じていたのは選手たちだけでなく、岡田監督自身もそうだったからだ。と私は推測している。指揮官が組織をどう高めていくのか迷ってしまった時、その組織はバラバラとなり、士気が低迷し、強さを失ってしまうものである。問題はそのことよりも次の2点にある。

① 「中心選手の大量放出」

② 「早野宏史監督就任」

①に関して、奥、中西、下川、平野、ドゥトラ、榎本達也、の退団がすでに決まっている。久保と松田に関してもゴタゴタがあるようだ。この「中心選手もしくはベテラン選手の大量放出問題」は成否の判断が難しい。奥やドゥトラに関しては、彼らに控えという位置を与え、様子を見るという段階があっても良いと思うので、やや判断を急ぎ過ぎている感もある。しかし、下川、平野、中西に関しては、ここ数年の活躍を見た場合、退団も止む無しとも言える。榎本達也はどうだろうか? もしかしたら本人の意思によるところが大きいのかもしれないので、一概には言えない。ヴィッセルというクラブに活躍の場を自ら求めたならば悪い判断ではないと思う。つまり、結局はフロントの説明責任ということになるのではないだろうか? 選手は「使い捨ての駒」ではないので、なぜ獲得したのか? なぜ戦力外通告したのか? それをきちんとサポーターに説明しなければならないと思う。勝負の世界は厳しいものとは言っても、そこには雇用者としての責任も必ず生じてくるものであり、それを蔑ろにすることは信頼を失うことになる。信頼を失った組織からは優秀な人材が流出するものであり、それは崩壊への確実な第一歩となる。戦力外通告されなかった選手たちも「次は自分か?」とクラブへの不信感を募らせることになる。

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そして②の問題。「順位表を見ながら2006Jリーグを総括してみる」の記事でも記しましたが、横浜Fマリノスに必要なのは「チームに新しい風を起こせる経験豊富な監督」の存在。伝統的なトリコロールスタイルであるカウンターサッカーから脱却するには、攻撃的なスタイルを得意とする実績ある監督を招聘するのが最も近道であると思う。しかし、果たして今度の新任監督はそれに相応しい人物だろうか? これには少々疑問を持たざるを得ない。実績的には優勝も降格もある監督。問題は「マリノスを攻撃的なチームへと変える具体的なプランを持っているのか?」ということ。もしくは「マリノスは伝統的なカウンターサッカーを貫く、という信念を持っているのか?」ということだと思う。実は、個人的には、マリノスはカウンターサッカーのクラブであってほしいと思っている。ガンバやフロンターレが「ポゼッション」スタイルであるのなら、マリノスまで「カウンター」スタイルを捨てて「ポゼッション」スタイルにする必要は無いのではないだろうか? 確かに「ポゼッション」スタイルは魅力的だし、岡田監督が攻撃的なスタイルへ進化させようとしたことには反対ではない。しかし、伝統はいつしか文化となり、カリスマとなってファンに受け入れられていくものである。また「魅力的なカウンターサッカー」というものも確実に存在すると思う。マリノスはどのような個性あるクラブを目指すのか? それが大事なことであって、地域に根付いたクラブを目標とする場合、勝利だけが全てではない。それは浦和レッズを見てみれば判ることである。もはやプロ野球の巨人方式のクラブ運営では人気や強さは取り戻せない時代となっているのである。そのことを考えた場合、今度の新任監督人事は、いわゆる「目指すところ」が見えないと批判を浴びてしまっても仕方の無いところがあるのではないかと思う。結果はやってみなければ判らないが、ファンが納得する、応援したくなる、ということが最も大事なのではないかと思う。マリノスがチェルシーやユベントスのようにならなければ良いのだが・・・。

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