プレイバックジーコジャパン ⑧
ジーコジャパンの試合を振り返る第8回です。ドイツW杯アジア最終予選、痛恨の負けとなったアウェイのイラン戦と、相手のオウンゴールで奇跡の勝利となったホームのバーレーン戦です。

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2005年3月25日 アジア最終予選 イラン VS 日本

北朝鮮にホームで2-1と勝利しての第2戦。敵地12万のイラン応援に囲まれてのアウェー戦となった。ジーコはイラン戦に挑むにあたって、ほぼ全ての海外組を召集した。高原、中村、小野、柳沢、中田浩、稲本、そして1年以上ブランクのある中田英寿。そして、その海外組を活かすために加えて、4-5-1又は4-3-3という布陣で戦うイラン代表対策もあり、4-4-2というシステムでくることを明言した。もちろん、アレックスと田中誠が累積警告で出場停止だったこともある。スタメンは、FW高原・玉田、MF中田英・中村・小野・福西、DF三浦・中澤・宮本・加地、GK楢崎。対するイラン代表は、ダエイ、マハダビキヤ、ハシュミアン、ザンディ、カリミ、など日本を上回る程のタレントを揃えている。海外で活躍している選手も多く、この予選では最大のライバルと言えるだろう。しかし、日本戦ではややシステムを変更してきた。4-3-3と言うよりはむしろ、ダエイとハシュミアンのツートップで4-4-2に近いシステム。イラン代表は絶対勝たなければならないホームゲーム。日本代表は引分けでも価値あるゲーム。しかし、神様はそう簡単にドイツへの道を開いてくれなかったようだ。
前半からイラン代表は攻勢に出る。アリ・カリミを中心に日本ゴールへと迫った。しかし、序盤は日本の安定した守備に阻まれ、なかなか決定的なチャンスを作れずにいた。4バックにしたことでサイドの守りも強化され、中盤でも中田英寿を中心にプレスが機能し、イランの攻撃を防いでいた。しかし、前半25分、中村がダエイと接触しフィールド外へ出た瞬間、日本代表の集中力が途切れた。カリミのFKが日本ゴール前に上がると、混戦のなかイラン代表ハシュミアンが強烈なシュートを決めた。日本にとっては痛恨の先制点。前半はそのまま終えた。
後半になってもイランペースの試合展開は変わらない。日本代表にはゴールが生まれる気配すら感じなかった。しかし、それでも日本代表に同点となるゴールの瞬間が訪れる。セットプレーの流れから上げたクロスボールに、途中投入されていた柳沢が競ると、そのこぼれ球を福西が豪快にボレーシュート。歓喜の同点ゴールとなった。
これによりイランの観客からイラン代表にブーイング的な雰囲気が流れる。これで試合は日本ペースになり、このまま同点で終えられるかと思ったが、現実はそれほど甘くなかった。再び日本の集中力が一瞬途切れる。サイドへ流れたボールをカリミがセンタリングすると、中央フリーになっていたハシュミアンが楽にヘディングゴール決めた。試合はそのままイラン代表が危なげなく守りきり、1-2で日本は勝点1を逃す結果となった。
試合後のインタビューで中村は「同点後に守りに入るのか、それともこのまま攻め続けるのか迷った。チーム全体の意思統一がバラバラになってしまった。個人的にはジーコへ訊ねたが『攻めろ』ということだった。しかし結果は・・・・」と発言していた。そしてやはり「連携がもう少し上手くとれていれば日本らしいサッカーができていたかもしれない」と語り、最後は「バーレーン戦に向けて、ヒデさん(中田英寿)と話し合って、ジーコに対しポジショニングのことなどを提案していく」と述べた。
この試合、日本が想定していた最悪の結果が出てしまったと言ってもよいだろう。国内組から大幅に海外組へメンバーを変更したことによる連携不足。機能していた3-5-2から4-4-2へ変更したことによる選手の戸惑い。それでも引分け以上の結果が出ていれば良い方向へ向かったかもしれないが、事態は悪い方向へ向かっている。海外組の起用法、国内組のジーコに対する不信感、システムに対する選手の戸惑いなど、かつての問題が再燃してきた。「3-5-2システムで国内組中心」指揮官がそう決めて挑んだ試合では結果が残った。しかし、「4-4-2で海外組中心」で挑んだ試合では苦しい結果が残った。もはや答えは出ていたかのように思えたが、ジーコの心の中にはまだ迷いが存在したようだ。もちろん難しい問題ではある。海外で活躍する選手が次々と怪我から復帰し、そうなった場合、このままチームワークの良い国内組中心でいくのか、それとも、個々の能力に優る海外組中心でいくのか、その答えは深い闇の中にあると言ってよい。どちらを選択しても結果が悪ければ批判の対象となる。しかし唯一迷いを捨てるべきことがあると思う。それはシステムだ。「4-4-2」では結果が出ず「3-5-2」では結果が出た。これだけは迷いなく結論ではないだろうか。
3月30日ホームバーレーン戦まで4日しかない。もはや指揮官が迷っている時間はないのだ。ここにきて今までのやり方を変えるのは良くないとハッキリ言えるだろう。バーレーン戦は日本にとっても、ジーコにとっても、正念場となる試合になりそうだ。

日本人選手評価短評(10点満点)

高原:4点:存在感なく積極性なシュートも見られなかった。
玉田:3点:雰囲気に呑まれ持味のドリブルも不発。
中田:5点:守備に貢献するも攻撃に関しては相手に脅威を感じさせない。
中村:5点:激しく削られゲームメイクできず。
小野:6点:中盤で安定したパス回しを見せたが運動量やフィジカルで足りない部分も・・・。
福西:6点:ボランチながら得点感覚は見事。
三浦:4点:気合は良かったが再三イラン右サイドの攻撃を許す。
宮本:5点:無難にこなしていた。
中澤:5点:フィジカルの強いイラン選手に競り負ける場面もあった。
加地:3点:攻守に中途半端でゴール前の競合いで負け失点許す。
楢崎:3点:ピンチを救うには至らず。
柳沢:5点:決定的シーンに絡むも物足りず・・・。
大黒:3点:前線で機能せず。
小笠:3点:途中投入されるも反応鈍くボールを奪われる場面が目立った。

こうして採点してみると、やはり海外組の方が良かったことがわかる。玉田、加地、小笠原などは厳しいアウェー戦で能力を発揮できなかったが、海外組の中田英寿や柳沢は長い代表ブランクがありながらそれなりの仕事をしてみせた。

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2005年3月30日 アジア最終予選 日本 VS バーレーン

イラン戦に敗れ、絶対負けられない、引分けさえも許されない状況でむかえたホーム・バーレーン戦。ジーコはシステムを4-4-2から3-5-2へ戻し、小野の抜けたボランチには中田英寿を起用した。日本はドイツW杯へ行けるのか? ジーコの去就は? その全てが重く圧し掛かった運命の一戦が幕を明けた。
前半から日本がボールを多くキープしてバーレーン守備陣の隙を狙う。バーレーンも一発のカウンターを決めようと虎視眈々と日本をうかがう。そんな息詰まる展開が続いていた。再三のコーナーキックやセットプレーもバーレーンの高い壁に跳ね返される。結局両チーム共決定的なチャンスを作れないまま前半を終えた。
後半、このままでは引分けに持ち込まれてしまう。前半のように慎重にばかり戦ってはいられない。1点をもぎ取らなければドイツへの道は遥か彼方へ遠ざかることになってしまうのだ。前半に増してサイドのアレックスと加地が攻撃を仕掛ける。それでもなかなか決定的シーンを作れないが、コーナーキックは何度も奪うことができた。そして後半27分。セットプレーからの流れでゴール前が混戦になると、バーレーン10番サルミーンが痛恨のオウンゴール。ついに日本へ待望の1点が入った。後半40分を過ぎるとバーレーンに攻められるシーン続いたが、なんとか守りきって日本は勝点3を手にした。
さて日本代表の評価だが、結果は最高のものになったものの内容ははっきり言って悪い。鈴木と高原のツートップも中田のボランチも機能していない。とにかく連携が悪過ぎる。バーレーンの守備が良いからではなく、日本選手のパスミスや連携ミスから自滅してるシーンが数多く見られた。このままではアウェーのバーレーン戦や北朝鮮戦では負ける可能性がかなり高いのではないだろうか。もはや選手同士の話し合いでは解決できない状況にあると思う。もしアウェーでの勝点3を狙いにいくならば、ジーコは大きな手術を日本代表に施さなければならないだろう。オウンゴールは天からの授かりもので、喜んでいては先が思いやられる。またも運が良いことに次の戦いまで二ヶ月あるのだから、何かしらの決断を下さなければならないと思う。その決断とは機能していない選手をスタメンから外すことではないだろうか。

日本人評価短評(10点満点)

高原:2点:ボールキープもできずシュートも少なくチャンスも外すなど最近では一番最悪。
鈴木:3点:何度もファールを受けてチャンスを作ったが、シュートなしでは評価できない。
中村:5点:攻撃の中心としてゲームメイクしていたが、もっとドリブルなど個人技で切り崩してほしい。
三都:6点:左サイドからバーレーンの守備を崩した。守備にも貢献。
加地:5点:攻めと守りをはっきりしたことで評価アップ。サイドを個人技で突破しセンタリングでチャンスメイクできた。
福西:6点:ミスも少なくワンボランチぎみながら攻守に貢献。
中田:2点:連携ミスや個人的なミスが目立った。シュートチャンスでもシュートしないなど冴えない。スタメン起用は疑問。
中澤:5点:あわやPKかという場面があったのが残念。しかし相手のオウンゴールを呼び込んだ。
宮本:5点:いつもの判断ミスはなくセーフティーな素早い判断でピンチを防いだ。
田中:5点:加地とのコンビで右サイドの守備は安定していた。
楢崎:6点:安定感があり守備陣を支えた。
玉田:5点:イラン戦よりも持味を発揮できた。
稲本:なし:出場時間短く評価対象外。

先に向けて問題なのが高原と中田英寿。高原はこの2試合良い所無しなのでスタメン落ちでもおかしくない。中田英寿もこの2試合機能していない。ボランチに下がっても攻守に中途半端で連携も悪くチームワークを乱している感がある。かつてのキレも戻っていない。小野が戻ってきたら出番はないだろう。ジーコは思い切って決断すべきだ。

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【2007/01/07 14:44】 | ジーコジャパン試合 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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