プレイバックジーコジャパン ⑭
ドイツW杯に向けてジーコジャパンの強化は続きますが、システムやメンバーが二転三転。ジーコは「理想」と「現実」の狭間で揺れていました。チーム内のゴタゴタも表面化してきて、ヒデの孤立具合も顕著になってきます。不安がいっぱいのウクライナ戦とアンゴラ戦です。

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2005年10月12日 ウクライナ VS 日本

ウクライナ戦に向けてジーコはさらなる模索を続ける。ラトビア戦では稲本、松井、中田英寿、中村で組んだ中盤ダイヤモンドを、中田浩二、稲本、中田英寿、中村に変更してきた。左サイドバックにはアレックスを入れ、センターバックは坪井と茂庭、右サイドバックには駒野、FWは高原、柳沢、GK川口。中盤をトリプルボランチぎみにしてウクライナのカウンター攻撃を防ぎ、逆に日本がカウンターで得点を奪う作戦で挑む。
前半はジーコのプラン通り、ホームでアグレッシブに攻撃を仕掛けてくるウクライナに対し、日本は守備をかためてカウンターを狙う展開。ウクライナの攻撃の時間が多いが、決定的な場面はつくらせなかった。一度だけ決定的な場面を与えたが相手のミスで得点にはならなかった。
後半も同様のペースで進むが、中田浩二がレッドで退場となる。劣勢に立った日本だが、一人少なくなってもプラン通りカウンターを狙う。中村に代り途中投入された松井が攻撃のリズムをつくり攻め込む場面もあったが、決定的なシーンは訪れなかった。そして、最後は明らかにおかしなPKをとられウクライナが1-0とリード、そのまま1-0で日本の敗戦となった。
雨も降り、気温八度前後という寒い状況下で行なわれた試合だったが、審判の判定、日本の試合内容ともに寒い試合となった。ウクライナホームとはいえ親善試合、審判のあからさまなウクライナ贔屓の判定には呆れるしかない。百歩譲って中田浩二のレットカードは許すとしても、最後のPKは酷過ぎる。こんな試合でそこまでして勝ちたいのか?と疑問を抱かずにはいられない。本当に呆れるばかりだ。
しかし、かと言って日本が良い試合をしていたかと言うとそうでもない。シェフチェンコのいないウクライナは明らかに決定力不足で、試合内容的には相手のシュートミスに助けられなければ、2-0で負けていてもおかしくない試合だった。
まず、カウンターを狙うにはスピードやドリブル力を持ち突破力のある選手がいなければ話にならない。高原や柳沢が前線でボールをキープしても、彼らを追い越していく選手がいない。中村も中田英寿も稲本もそのようなタイプの選手ではない。柳沢が裏に抜けるシーンもあったが迫力に劣る。松井が途中投入されてやっとリズムを作ったが、やはり彼一人ではどうにもならない。七人で守り、三人で攻める、その形が完成できればW杯でも躍進の可能性が高まることは理解できるが、世界の強豪相手に、高原、柳沢、中村だけで得点を奪えるとは思えない。仮にチャンスとみればサイドバックが攻撃参加することを想定していたとしても、これだけ押し込まれた状態からサイドバックが攻撃参加するのは至難の技だ。このウクライナ戦でもアレックスと駒野の攻撃参加は数回しかみられず、効果的なものでもなかった。
前線三人のコンビネーションだけで得点を奪う、という以外の攻撃の形が皆無なのは最悪だ。途中、中田英寿と稲本がポジションチェンジしたりしていたが、まったく意味がない。彼らが左右入れ替わったところで役割が同じなのだから相手を惑わすことにはならない。
試合後、明らかにおかしい審判への抗議も大切だが、ジーコにはもっと大切な仕事をしてもらいたい。それは初心に帰ること。結果を求めること。新しいことへの挑戦よりも積み上げてきたものを成熟させること。それをジーコにお願いしたい。もうW杯までカウントダウンの段階に入っているのだから・・・。

日本人選手評価短評(10点満点)

高原:7点:せっかく前線で起点となっても押し上げのスピードが無いので得点に絡めず。
柳沢:5点:今回の試合では見せ場なし。
中村:5点:守備にまわってしまうシーンが多く仕事できなかった。
中田:5点:後半前線に位置するようになってからは上手くボールキープしていたが、突破力や得点力が無いので脅威にはなれず。前半は守備に忙殺され持ち味出ず。
稲本:5点:このポジションでは厳しい。ロングパスやロングシュートを狙うのが精一杯だった。
中田:5点:ワンボランチというよりトリプルボランチの真中だったので無難にはこなせた。退場は不当。
駒野:5点:この戦い方で攻撃参加を求めるのは酷。
三都:5点:守備的戦術で左サイドバックでは出場している意味がない。本人は頑張っていた。
茂庭:5点:無難にこなした。
坪井:5点:無難にこなした。
川口:5点:無難にこなした。
鈴木:3点:ジーコが鈴木を投入した意図がみえない。
松井:7点:途中投入で攻撃を活性化した。カウンターサッカーならば中村よりも活きる。
箕輪:5点:守備では合格点。最後のPKは不運としか言い様がない。
大久保:時間短評価外

「ジーコジャパンにはスピードとドリブル力を持つ突破力のある選手が必要だ」この主張を何回してきたかわからない。パスを回せる選手なら掃いて捨てるほどいる。ヒデでも中村でも小野でも稲本でも小笠原でも長谷部でも大差はない。そういう役割をする選手はピッチに一人か二人いれば十分だ。その代わり、田中達也や大久保や玉田や松井や本山や永井のようなスピードとドリブル力のある選手がピッチには必要だ。フィールドには11人しか選手はいないのだから、役割や持味の異なった選手を組み合わせなければバランスのとれた美しいハーモニーを作り出すことはできない。
戦いには「切り込み隊長」というのが必ず必要だ。自らの危険を顧みず敵陣に切り込んで行く。そして彼らが切り崩したところから攻撃するのだ。ブラジルやアルゼンチンの強さの一つはそこにある。あらゆる選手が相手守備陣を切り崩すことができるからだ。しかし、今回のジーコジャパンには「切り込み隊長」が存在しない。すべての選手が後方支援型。誰かが切り崩してくれるのを全員が待っているのだ。
ストライカー、チャンスメーカー、ゲームメイカー、ダイナモ、ドリブラー、サイドプレイヤー、ストッパー、リベロ、チームには同じ目的意識を持った、異なった能力を持つ人材が必要だと思うのである。是非そんな素晴らしいチームにジーコジャパンがなってもらいたい。

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2005年11月16日 日本 VS アンゴラ

二転三転した末に決まったアンゴラ戦。欧州遠征は結果内容共に良くなかっただけに、年内最後となるこのホーム試合で結果が出なければ危機的状況にもなりかねない。それを考えれば重要な試合となった。ちなみに、小笠原、加地、茂庭は召集されたが怪我で辞退し追加召集は行なわれなかった。ジーコは欧州遠征の「4-4-2」から「3-5-2」へシステムを戻し、GK川口、宮本、田中、中澤のスリーバック、中田英寿、稲本のダブルボランチ、左アレックス、右駒野、トップ下中村、ツートップ高原、柳沢というスタメンとなった。
前半早々は日本がペースを握り数回の決定的チャンスがあった高原が外しゴールはならなかった。アンゴラの守備はルーズで日本のFWもMFもフリーでボールを扱える場面が多かった。前半終盤ぐらいからアンゴラも守備意識を高めてきたが、まだ攻撃に関しては人数が少なく可能性の低いミドルシュートを放つにとどまっていたので危ない場面はなかった。前半はゴールをことごとく外したことがひびき0-0のまま終えた。
後半からはアンゴラがマークをタイトにしてきたので日本は前半程チャンスを作ることができなかったが、アンゴラはゴール前、ファーサイドがルーズになる傾向があり、そのポジションに中田英寿、高原、柳沢、アレックスらが入って何度もチャンスを作ったがゴールは決まらない。ジーコは田中に代えて松井を投入し「4-4-2」へシステム変更して流れを変えにいく。さらに、高原に代えて大黒、稲本に代えて阿部を入れた。アンゴラもアレックスの裏を突けるサイドアタッカーを投入して何度も日本ゴールを脅かしたがシュートの精度を欠き日本のゴールネットを揺らすことはできなかった。そして後半44分、アンゴラの集中力が切れた一瞬、スローインから中村がファーサイドへクロスを上げると、柳沢がヘッドで折り返し、松井が頭で押し込んで勝利のゴールをあげた。
試合はまたもジーコの強運か?引分け濃厚の試合だったが1-0で日本の勝利に終わった。しかし、欧州遠征から何かが良くなったということもなく、アンゴラの実力がいまいちだったので(これが本当の実力とは思えないが・・・)勝てたように思える試合だった。
試合前ジーコは「3-5-2」へシステム変更した理由について「小笠原が辞退したので・・・」という趣旨の話をしたようだが、その発言からすると、小笠原が戻った時、もしくは小野が戻った時は、「4-4-2」を使用するというようにも思えるのだがどうだろう?また、このアンゴラ戦「アジアレベルでは通用した3-5-2がW杯出場国にも通用するのか確かめたい」とも述べてたようだが、どうやらジーコの中では「3-5-2」では世界と戦えないという考えがあるようだ。その考えは正しいとも言えるが、絶対とは言えないと思う。果たして完成度の高い「3-5-2」をサブに回し、「4-4-2」をメインシステムとする方向でW杯までに間に合うだろうか?なんとも言えないが不安は拭えない。
また、これは余談だが、ひとつ気になったことがある。それは、私のつたない読唇術によると、高原に代えて大黒がピッチに入った時、

大黒「(柳沢に向かって)下がりめで」
柳沢「どういうこと?」
大黒「わからん」
柳沢「守備か」

という会話をしていたように読み取れた。

これってジーコの指示というか意図が選手に伝わってないということだろうか?しかし、この会話の後、特に柳沢が守備に回ったとも感じられなかったし、最後は折り返しのアシストをしたのだから結果OKなのかもしれないが・・・。私の読み間違いだろうか・・・?

日本人選手評価短評(10点満点)

高原:6点:動きはまずまず。しかし結果が全てだからね・・・。
柳沢:6点:折り返しのアシストで合格点だが活躍場面は少ない。
中村:6点:あまり目立った活躍はなかった。
中田:6点:良いような悪いような・・・。
稲本:6点:守備的な役割だったが、かつてのような運動量や粘りはまだ見られない。
駒野:5点:加地とどっこいどっこいか?
三都:6点:やはり4のサイドバックはつらいところ。
中澤:5点:簡単にかわされる場面もあり不調気味。
田中:6点:安定感があるだけに、4になると交代させられてしまうのは采配に疑問。
宮本:5点:3では経験豊富だけに良いが、簡単なミスからピンチを招いてしまうのはマイナス。
松井:7点:途中交代で流れを変えゴールを決めたことを評価。
大黒:6点:動きは良いがゴールが遠くなってるか?
阿部:特に採点すべきプレーなし。

どうしても気になるのが中田英寿のボランチ起用だが、ボランチというより、ボランチと攻撃的MFの中間的な役割ポジショニングに思える。中盤のフリーマンと言えば聞こえは良いが、中途半端だとも言える。ボランチとしては待ち構えての守備に軽さがあるし、攻撃的MFとしてはゴール前での威力が弱い。小野の場合は後方からのロングパスや駆け上がってゴールを決めるなど実績があるのに比べて劣る気がする。両者共に守備に不安があるのは変らないが・・・。
ヒデの場合、無理な縦パスや横パスのミスからピンチを招く場面も少なくない。遠藤の場合はロングシュート、福西には駆け上がってやセットプレーでのヘディングがあるが、この試合、ヒデのシュートは一本も無かったように思う。
それに、ヒデがボランチだと中村の守備負担が増えているような気がしてならない。ヒデよりも中村が低い位置まで守備に戻る場面も見られた。これだと速攻の形は作りづらい。岡田監督時代フランスW杯でも名波、ヒデ、山口という中盤を組んだが、これだと名波がヒデに、ヒデが中村に、山口が稲本に代ったにすぎないのではないだろうか。フランスW杯の時、ヒデが「この中盤だと自分の守備への負担が増えてやりづらい」と語っていたことを覚えている。結果は3戦全敗1得点に終わったことを考えると二の舞いになるのではという不安が頭をよぎる。
するとやはり「3-6-1」にして中村とヒデを攻撃的MFにするのがベストかと思うが、中村、ヒデ共にゴールエリア内で威力を発揮できる選手ではないだけに得点力に不安がでる。そう考えると中村をスタメン起用し、後半スタミナが切れたらヒデに交代するという案もあるが、小笠原もいるだけに難しいところだ。松井も台頭してきただけにMFとFWの組み合わせ、システムの選択はより悩みどころが増えてきた感じだ。

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【2007/01/11 21:09】 | ジーコジャパン試合 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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