プレイバックジーコジャパン ⑮
ジーコジャパンを振り返る第15回です。時は2006年ワールドカップイヤーに入りました。2006年になってますます不安が増大していくジーコジャパン。指揮官の「迷い」はチームの「不和」となっていきます。

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2006年2月11日 アメリカ VS 日本

2006年初戦となったアメリカ戦。注目点はいくつかあった。まず、今まで使用していた「3-5-2」「4-4-2」というシステムとは別の「3-6-1」というシステムをジーコが試したということ。それと、久保、小野、という長く代表を怪我で離れていた選手が復活してきたこと。さらに言えば、長谷部、佐藤寿人、という新しい選手の活躍もそうである。これらのことに注目が集まったアメリカ戦、仮想オーストラリアとして成果は上げられたのか?スタメンは川口、宮本、中澤、田中、遠藤、福西、アレックス、加地、小笠原、小野、久保。まずは試合展開と結果から。
結果は残念ながら2-3で敗戦となった。前半は100%アメリカの試合。豊富な運動量と高さで日本を圧倒した。ペナルティーエリア内まで日本DFが押し込まれ、23分アメリカのポストプレーから1点目を決められた。2点目は38分、ゴール前きれいなワンツーからビューティフルゴール。そのまま0-2で前半を終えた。
後半、久保に代えて巻、遠藤に代えて佐藤寿人を入れ、小野をボランチに下げた「3-5-2」システム変更。しかし、後半6分にセットプレーからアメリカに3点目を決められ試合を決定づけられた。ジーコはさらに、福西に代え阿部、田中に代え長谷部、小野に代え本山を入れてシステムを「4-4-2」に変更して得点を奪いにいく。そして、後半15分に加地からのクロスを巻がダイビングヘッドで決めて1点を返した。これによりアメリカ選手の動きが止まり流れは日本ペースへ。後半ロスタイムにもセットプレーから中澤が足で押し込んで2-3としたが、そのままタイムアップとなった。
さて、まず新システムの「3-6-1」だが、選手のこのシステムに関する理解度が低すぎて完全に不発となった。久保は1トップなので、ポストプレーさせるよう足下へボールを渡さなければならないのだが、頭を狙ったボールや裏へ出すようなパスばかりになっていた。さらに、小野と小笠原も前線でボールキープしたり、久保からの落しをマイボールにしなければならないのに、ゲームを組み立てようとするあまり後ろへ下がりすぎてしまってまったく機能していなかった。ボランチも小野や小笠原が中央後ろに戻ってディフェンスするなら、サイドのカバーリングに回らなければならないが出来ていなかった。もちろん、本来ならば小野や小笠原がサイドのプレスディフェンスにいくべきなのは言うまでもない。攻撃的MFが下がるからボランチも下がりDFも下がる。これによって完全に相手ペースとなり、ついにはパニック状態で日本の守備は崩壊、3点を奪われ攻撃もまるで機能しない最悪の状態を生み出していた。後半「3-5-2」にして前線に2つ起点ができ、佐藤と巻がアグレッシブな守備をし、「4-4-2」にして相手のサイドを押さえたことでやっと日本が機能し出し2点を返すことができた。しかし、それには後半アメリカ選手の足が止まったことも関係している。
ジーコも言っていたが「3-6-1」とは言っても「3-4-3」だとも言える。それは「4-5-1」と「4-3-3」の関係と同じだ。だから、小野と小笠原は自分たちがFWだと思ってプレーしないといけない。前線で相手DFにプレスをかけて、前線で起点となり、得点を奪う。ウイングの加地やアレックスへのパス供給の多くはボランチの役割となる。このあたりの理解度は中田英寿や中村の方が上だと言えるだろう。まあ、得点が奪えないあたりは大差ないが・・・。このように、ほとんどの選手が「3-6-1」を理解していないのでシステマチックな動きがまるでなく、それを実感し得たことが今回の成果と言えるだろう・・・。
成果としては新たな選手の活躍は良い点ではないだろうか。巻は代表初ゴール、佐藤は積極的な動きが見られた。阿部と長谷部しても、あの劣勢のなか冷静にプレーしてチームを立直した。今後にも期待できる。
しかし、この結果を受けてジーコはどうするだろうか?「3-5-2」か「4-4-2」か「3-6-1」か。選手の順応性や適応力がこれだけ低いとなると、また考え直さなければならないと思う。指揮官の苦悩はW杯まで続きそうだ
それにしてもアメリカは思った以上に強敵だという印象を受けた。同組のイタリアやチェコも油断すると足下をすくわれる可能性がありそうだ。オーストラリアやイングランドのサッカースタイルと似ているが実力はオーストラリアよりも上だろう。アグレッシブなサッカーからのサイド攻撃はシンプルだが力強いものがある。ただ、今回の日本戦のように前半飛ばして2点3点と取れればいいが、そうできなかったときには後半パフォーマンスが落ちるので、そこにウィークポイントがありそうだ。

日本人選手評価短評(10点満点)

久保:4点:怪我明けだからこんなものか。
小笠:4点:ボールに絡めず。
小野:4点:ボランチでは機能したが・・・。
福西:4点:このシステムで役割が果たせなかった。
遠藤:4点:同上。
加地:5点:アシストを評価。
三都:4点:パスが出てこなければ活きない選手。
中澤:4点:得点奪うも守備悪し。
田中:5点:安定感は評価。
宮本:4点:ピンチ救う場面もあったがDFを統率しきれず、ミスも目立った。
川口:5点:好セーブあった。3失点はGKの責任ではない。
巻  :6点:反撃の口火を切るゴールを評価。
佐藤:5点:初出場で合格ライン。
阿部:5点:攻守で平均点。
長谷:6点:初出場で冷静にプレーし決定的なスルーパスも出した。
本山:5点:ボールを引き出す動きは良かった。

今回感じたのは「日本には攻撃的MFがいない」ということ。小野、小笠原、ヒデ、長谷部、稲本、福西、遠藤、すべての選手がボランチでは機能するのに攻撃的MFでは機能しない。中村と松井がまだましだが得点力の低さは否めない。ベテランの藤田や森島の方がまだ攻撃的MFらしい。本山は何故か代表では結果がでない。大久保などがFWではなく攻撃的MF的だと思うのだが・・・。とにかく日本には威力のある攻撃的MFがいないと感じるのだ。FWでもなくボランチでもない、そんな攻撃的MFとはなんだろうか?世界を見てみると、ジダン、ベッカム、ロナウジーニョ、カカ、ネドべド、ジェラード・・・、やはり攻撃的な能力をパーフェクトに持った選手が多い。守備に関しては期待できないが、得点力、キープ力、決定的なパス出し、など攻撃に関する輝きや才能が全てと言えるかもしれない。日本にはFWがいないばかりか攻撃的MFまでいないかと思うと悲しくなる。日本はサッカーに対する考え方を根本的に教育から見直す必要があるのかもしれない。

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2006年2月18日 日本 VS フィンランド

ジーコジャパンはアメリカ戦で採用した「3-6-1」を早々に諦め「3-5-2」に戻して勝利を狙いにいく。アメリカ戦で負け、ホームということもあり、負けは許されないと判断したのだろう。もし2連敗となれば雰囲気が悪くなるのは間違いない。スタメンは次の通り。川口、坪井、中澤、宮本、福西、小野、小笠原、村井、加地、巻、久保。
試合は2軍程度の戦力で揃えるフィンランドが中盤とDFで4枚2ラインひく守備的な戦い方をしてきたので日本が支配する展開となり、この流れは最後まで変わらなかった。前半は両チーム共にシュートを打つ場面も無く「眠い」試合で終了。後半スローインから小笠原→久保で1点目。そして、2点目は小笠原がフィンランドGKの意表をつくロングロブシュートが幸運にも決まった。フィンランドは攻める形も意欲も無く、このまま2-0で日本が勝利した。
それにしても、せっかくだからもう1、2試合「3-6-1」を試してもよかったのでは?という気がしてならない。もちろん、勝ちが欲しかったという気持は解るが・・・。これでは何の為の宮崎キャンプだったのかわからない・・・。それに、慣れてるだけに動きがスムーズだったのは確かだが、「3-5-2」に戻しても流れの中から組み立ててのゴールが生まれないのは相変わらず。ホームでピッチ状態も良く選手のコンディションも良くなっているが、それは当たり前の範囲内で評価できる部分ではない。さらに、フィンランドも仮想オーストラリアやクロアチアとするには「ゆる」すぎて強化相手としては役不足だ。もっと本気で真剣に挑んでくる相手でなければ意味がない。この試合、成果と呼べるものは何もなかった。

日本人選手評価短評(10点満点)

久保:5点:ゴールが無ければ3点。
巻  :3点:苦しい中でいかに活躍するかは巻だけでなく日本FW全員の課題。
小笠:5点:1アシスト1ゴールも輝きは無し。
福西:5点:強さや運動量が少し戻ってきたが相手が「ゆる」かったので・・・。
小野:5点:ボランチ位置でのパス役は激戦区。ヒデでも小笠原でも長谷部でも大差ない。
加地:4点:攻守共に不満。
村井:5点:アシスト無ければ合格点はつけられない。
中澤:5点:ピッチ状態が良ければだが・・・。
坪井:5点:攻められる場面が少なくプレッシャーも皆無だったので安定していた。
宮本:5点:同上。
川口:5点:同上。
佐藤:評価するプレーなし。
本山:評価するプレーなし。
駒野:評価するプレーなし。

プレッシャーの無い中で良いプレーやパスが出来るのは当たり前。それが出来ないならプロじゃないわけだし。ボランチ位置に下がり今回のフィンランドのようにプレスをボランチに仕掛けてこないなら当然良いプレーはできる。小野でも小笠原でもヒデでも長谷部でも稲本でも遠藤でもそうだろう。
それにしても日本の選手は同じプレーしかできない。相手が攻めてくればカウンター、守ってくればロングシュート、そんなセオリーすらできてない。どの試合でも、どの時間帯でも、同じリズムとテンポで試合をする。相手が低い位置にDFラインを置いているのに何度もオフサイドに引っかかる。今の時代、頭の悪いスポーツ選手は生き残れない。もっと考えて試合をしてほしい。現在タイムリーでトリノオリンピックが開催されているが、日本のオリンピック選手にも同じことが言える。勝負は一度きり。同じ間違いを考え無しに学ぶことなく繰返しているのでは永遠に世界に勝てないだろう。
頑張ってる、一生懸命やってる、それで結果が出なければ何の意味もないし、今までの努力も無駄になってしまう。日本のサッカー選手はもっとサッカーを勉強するべきではないだろうか。引退してから勉強してもね・・・。

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