数的有利を作る。バランスとアンバランス。 【 ベガルタ仙台 vs 川崎フロンターレ 】
試合 :J1リーグ 第19節
開催日:2013年8月3日
結果 :ベガルタ仙台勝利
スコア:「2-1」
得点者:ウイルソン レナト 松下年宏

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          林卓人

 菅井直樹  鎌田次郎   角田誠  石川直樹
          大久保嘉人
          富田晋伍
 レナト      中村憲剛    ピニェイロ
 太田吉彰  松下年宏   梁勇基  赤嶺真吾
       稲本潤一  山本真希
          ウイルソン
 登里享平  中澤聡太  實藤友紀  田中裕介

          西部洋平

憲剛には富田、稲本と山本の2ボランチには松下と梁、という具合に中盤の中央が噛み合っていて、フロンターレが攻撃を機能させるためにはそこをどうにかしなければならなかった。


(A) 大久保が中盤に下がる。

そのためのプランの1つは大久保が中盤に下がる事。サイドは、大田と赤嶺が遅れればレナトとピニェイロがSBと1対1になるし、レナトとピニェイロは1対1ならば個の力で相手を制する事ができるので、とにかく中盤の中央で相手を上回る事がポイントだった。

大久保は最前線に張っていたが、大久保が憲剛の位置まで下がってプレーすれば、中盤の中央は、フロンターレが4になり、ベガルタが3なので、それで数的有利になるし、更には、富田のところで「憲剛&大久保 vs 富田」という2対1の数的有利ができる。

そしてまた、中盤に下がる大久保に対してベガルタのCBの1枚が付いてくれば、当然そこがスペースになるので、サイドのレナトとピニェイロがダイアゴナルにゴール前へ侵入しやすくなるし、更には、松下と梁が富田のところでの数的不利を嫌がって下がれば、今度は2ボランチの稲本もしくは山本がフリーになる。


(B) レナトもしくはピニェイロが中央でプレーする。

レナトとピニェイロは、攻撃の時には3トップ気味になっていて、どちらの選手もサイドに開いてポジショニングしている事が多かったが、大久保が最前線に張って下がらないならば、レナトもしくはピニェイロのどちから1枚は主に中盤の中央でプレーした方が良かった。理由はやはり中盤の中央(特に富田のゾーン)で数的有利を作るため。

そして、サイドの高い位置にはSBの登里もしくは田中が上がり、要するに3バック気味にして中盤の枚数を5枚から6枚に増やす事で中盤(特に富田のゾーン)での数的有利を作り出す、という事。しかし、当然、後ろの枚数は1枚減る事になるので、この(B)のプランは(A)のプランに比べてリスクが高くなる。

但し、正確に言うと、実際にはレナトもピニェイロも中央へ入って行ってプレーしている事はあったのだが、問題は、レナトが中央に入った場合に憲剛がポジションチェンジしてサイドに出てしまっていた事、それから、ピニェイロは中盤の中央ではなく最前線の中央に入って行っていた事。

レナトが中央へ入ってプレーしても、憲剛がそれに連動してサイドに出てしまっては、中盤の中央で数的有利が作れなくなってしまうし、また、それに連動して大久保が中盤の中央に下がってプレーするならば別だが、ピニェイロが中盤の中央ではなく最前線の中央に行ってしまってもそう。

結局、攻撃というのは、時にはバランスを崩して、時にはリスクを冒して、という事をやらなければならず、例えばバイエルン・ミュンヘンでは左右のリベリとロッベンが同サイドでプレーして、そのサイドで数的有利を作り出して攻撃する、という事をやるが、要するにそういう事。


(C) 中盤を噛み合わなくさせてCBが上がる。

3つには、フロンターレが正三角形の中盤の中央、ベガルタが逆三角形の中盤の中央、という事で噛み合っているが、それを、フロンターレも逆三角形の中盤の中央に変えてしまい、それと同時にCBの1枚が積極的に中盤まで上がってボランチ的なプレーをする事で、中盤の中央の枚数を3枚から4枚に増やす、というのがプラン(C)。もちろん、この(C)プランも(A)のプランに比べてリスクが高くなる。


という事で、1点ビハインドの後半から実際にフロンターレがやったのはプラン(C)だった。稲本がアンカー気味に残り、山本が高い位置でプレーし、CBである中澤もしくは實藤がボランチの位置までボールを持ち上がって攻める、という方法。

当然リスクはあったが、状況は1点のビハインドであったし、また、ベガルタの1トップがウイルソンから赤嶺に代わっていた事で脅威は下がっていたので、(C)プランを実行した事でフロンターレは攻勢となった。そして、後半27分にはレナトの得点で同点に追い付く。

しかし、結果的には、ここで、2点、3点、と得点を奪えなかったのが痛かった。決まっていてもおかしくないシュートを何本も放ったが、多くのシュートがポストやバーを叩き、あるいは、ゴールマウスを外れ、決定機で得点を奪い損ねていると・・・、というよくある展開に。


後半32分、守備の立て直しのためにベガルタは太田に変えてへベルチを投入し、システムを「4-1-4ー1」から「4-4-1-1」へと変更。前の2枚にフロンターレのCB2枚とアンカー1枚をケアさせ、中盤の中央の底が1枚にならないよう2枚にさせる(つまりゾーンディフェンスに変える)事によって守備の立て直しを図り、守備を立て直す事によって少しずつ攻撃も機能させよう、という考え方だったのではないかと思う。

が、なんとその交代采配直後にベガルタが2点目を決める。交代によって試合が一時的に中断し、それによってフロンターレに隙が生まれた。フロンターレにとっての左サイドがガラ空きとなり、そこを突いた右SBの菅井が折り返すと、それを松下が決めてベガルタが2点目を奪う。交代があった直後の油断、集中力の欠如、どこか日本代表と重なるところがあった。


結果はスコア「2-1」でベガルタ仙台の勝利。しかし、やはり目を引いたのは、負けはしたが川崎フロンターレの攻撃力だった。決定力さえ欠かなければ、あるいは、運に見放されていなければ、川崎フロンターレが3点や4点を奪って勝てていた可能性は高い。

但し、それだけの高い攻撃力を生み出せる攻撃的なポジションの選手の個の力の高さに比べると、やはり守備的なポジションの選手の個の力が低く、このアンバランスを解消しなければ優勝へとはたどり着けないのではないかと思う。守備力の高い個を獲得するか、攻撃的な選手を削って守備的な選手を起用するか、どちらかをやらなければならないのではないだろうか。

一方のベガルタ仙台については、1トップとして起点にもなれて得点も取れるウイルソンが負傷で離脱、という事になると攻撃は苦しくなりそう。赤嶺、柳沢、へベルチ、あるいは、他の選手でも、誰かがウイルソンぐらいの高いパフォーマンスを発揮しないと攻撃は苦しくなりそうな予感がする。守備も、もう少し、しっかりと中央を堅くしたい。


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