中村俊輔が活躍できている理由を分析
ぶっちぎりで首位を独走するセルティック。そのセルティックで、もはや欠かすことにできない存在となっている中村俊輔ですが、その活躍の理由を分析してみたいと思います。 

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○ 貴重な存在

まずはこれだと思います。セルティックというチームを見てみても、スコットランドプレミアリーグ全体の雰囲気を見てみても、中村のような選手はほとんど存在しません。もちろん全チームを詳しく知っているわけではないので断言はできませんが、おそらくそうだと思います。ロナウジーニョ11人とデコ11人だったらどちらが強いか? などと意味の無い比較(?)を耳にすることがありますが、これほどくだらない議論はありませんよね。ロナウジーニョもデコも周囲との関係があってこそ輝くわけで、11人がロナウジーニョやデコのような選手だったら、とても弱いチームになってしまいます。要するに、パワフルなタイプの選手が多いスコットランドプレミアリーグにおいて、中村のようなタイプの選手は貴重であり、機能性が高く、アクセントとして非常に効果的である、ということが、中村の活躍の大きな要因となっているということだと思います。

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○ 強いチーム

イタリアでの中村と今の中村を比較した時、もちろん一回り成長しているのですが、そのことにプラスして、チームの強さ、周囲の環境ということも、今の活躍の大きな要因になっていると言えます。もともとセルティックはCLに何度も出場しており、リーグでは2大ビッグクラブの1つですから、優秀な選手も多いわけです。もちろんスペインやイングランドなどのビッグクラブと比較すれば選手は物足りないですが、それでもイタリアで中村が所属していたようなチームと比べれば強いチームだと言えます。イタリア時代の中村のプレーも何度か見ましたが、所属チームがとにかく放り込むサッカーで、中村にパスが渡る場面はほとんどない状態でした。たまに中村へパスが渡っても、それは苦し紛れに中村に出したパスで、中村に失敗の責任を押し付ける責任転化とも言えるひどいパスでした。しかし今は違います。セルティックは試合内容が悪くても勝てるチーム。中村を生かそうとしてくれるチーム。中村以外にも優秀な選手がいるチーム。中村のパスに応えてくれる選手がいるチームです。良いものはますます良く、悪いものはますます悪く、残念ながらこれが現実です。ですから中村俊輔の活躍は「強いチームへ移籍した」ということも大きな要因であると言えます。

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○ 中村俊輔の成長

しかし、中村の活躍は上記にあげた周囲との関係や他力によるものだけではありません。当然、中村俊輔自身の成長もあるわけです。それは「守備能力の上昇」と「仕掛ける意識の向上」だと私は思っています。オシムは中村の活躍の要因について「運動量の向上」をあげているようですが、それはオシム的にはそういうことにしたい、ということだと思います。選手に守備も攻撃もできる能力(ボリバレント)と、チームに全員守備全員攻撃(トータルフットボール)を求めるオシムとしては、そういう基準から外れて活躍する選手を認めたくないという気持ちがどこかにあるのでしょう。しかし、どう考えても中村俊輔を認めないわけにはいかない、そういうジレンマのようなものをオシムに感じるわけですが、まあ、そのことは置いておくことにします。
中村の守備というのは、現役時代の中田英寿の守備と似ています。それは攻撃的な選手としての守備ということです。ボランチやDFなどがプレスディフェンスしたところに、さっと忍び寄って背後からボールを奪ったり、プレスディフェンスによって限定されたパスコースを読んでパスカットにいったりする守備です。つまり、守備的なポジション(ボランチなど)で守備がこなせるようになったぐらい守備が向上した、ということではないわけですね。守備は守備でも質が異なるわけです。また、それはあくまでプラスαとしての守備能力の向上であり、それが持味になった、とは言えないということです。それよりも活躍の要因として重要なのは「仕掛ける意識の向上」ということにあるように思います。中村憲剛などもそうなのですが、ただパスを出す、ということだけでなく、必ず1人か2人を抜いてからパスを出す、ということに大きなポイントがあります。中村俊輔がドリブルで仕掛けて相手DFを1人でも2人でも抜く、PA内にも入っていって相手DFのマークを1人でも2人でもひきつける、これが本当に重要なポイントとなります。今までの中村にはこういうプレーがありませんでした。そして、こういうプレーをする為には今まで以上に動かなければなりませんから、当然、運動量も増えてくるわけです。つまり運動量が向上したから活躍できている、のではなく、動きの質が向上したから運動量も増えた(ように感じる)、と考えるのが正しいのではないかと思います。もっと要点をまとめると「運動量やフィジカルなど身体能力の向上ではなく、オフザボールの動きや仕掛ける意識などプレーの質の向上が中村俊輔の活躍の大きな要因である」と思います。

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○ トレンド

最後に、最近のトレンドというのも中村の活躍に大きな追い風となっていると考えられます。かつては、中村のような選手は中央で使われていました。そして、サイドの選手というのは縦へ速いことが絶対条件でした。しかし、最近はそれが逆転して、サイドで起点をつくり、中央にスピードや運動量、フィジカルなどが優れている選手を置くスタイルがトレンドとなってきています。プレスディフェンスを機能させる意味でも、プレスディフェンスを避ける意味でも、その方が理にかなっていると言えます。そして、この傾向というのが中村俊輔の活躍を引き出していると私は思っています。もしストラカン監督がこのトレンドに疎く、中村をトップ下などで起用する考えしか持っていなかったならば、中村の今の活躍は無かったと考えられます。

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以上、4つ、中村俊輔が活躍できている理由を分析してみました。物事が上手くいっている、成功している、ということの要因が1つであることは絶対にありません。「環境に恵まれる」「時勢に乗る」「本人が努力する」この3つが重なった時に成功は訪れるというわけですね。中村俊輔が活躍できている要因もこれにあてはまると思います。

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