呪縛から解き放たれたかのように戦うオランダの選手たち。呪縛に囚われ続けて戦うブラジルの選手たち。3位決定戦の試合だけではなく、今大会を通じて、オランダとブラジルには、そういう印象を感じた。オランダというのは、いつも苛立っているような雰囲気があって、内部崩壊を起こしたり、慢心が大きくなったり、そういう事が勿体無いと感じてきたのだが、その原因には、高い理想を追い求め過ぎていた、という事もあったような気がする。トータルフットボールという呪縛。美しく攻撃的なサッカーで勝たなければならないという呪縛。それが足枷になっていたと思う。
記事を読む前に、 サッカー人気blogランキング にほんブログ村 サッカーブログ サッカー FC2 Blog Ranking 上記3ヶ所への応援クリックを宜しくお願い致します。 守備的な戦い方(得点を多く取れたから守備的ではなかった、というのは間違いで、守備的であっても多くの得点を取る事は可能、というのが正しい)を選択した時に、特に攻撃的なポジションの選手たちが、それに強く反抗的になったり、やる気を失ったり、という状態に陥るのではないかと思ったのだが、実際には真逆の状態になっていたような気がする。ファン・ペルシ。ロッベン。スナイデル。特にロッベンは、まさに水を得た魚のように躍動し、3位決定戦の試合でも全く疲れを見せず、とても楽しそうにプレイし続けてきた大会だったと思う。試合後の笑顔が印象に強い。 あまりにも高い理想を掲げると、やはりそれは簡単には実現できない事であるから、その困難さに疲れてしまう。良い結果が出ない時には、俺たちは高い理想を追い求めているから、と自己暗示的に納得させようとしても、やはり負けるという悔しさからは逃れられない。内容も結果も理想的な素晴らしい試合ができた場合には、それが高い理想のサッカーであるが故に自惚れを生んでしまい、献身性や勝利への貪欲さを失ってしまう。しかし、そういう事が、今大会のオランダには起こらず、理想を追い求める事から開放され、前評判よりも、結果も内容も良く終われたのではないだろうか。 その一方でブラジルは、今の実力には合っていない、高い理想(結果も内容も)を求められ過ぎてしまったと思う。開催国である、という事が、ブラジルにとってプラスとなるのかマイナスとなるのか、どちらになるのか大会前から懸念していた人は多かったと思うが、やはりマイナスの方が大きくなってしまったような気がする。圧倒的にではなくても、ブラジルには優勝できる実力はあったと思う。しかし、開幕からハイテンションで戦い過ぎてしまい、チアゴ・シウバとネイマールを欠いてもドイツに真っ向勝負を挑んでしまい、それによって受けたダメージが致命傷になってしまった。 本当に強いチームというのは、夢を見るのではなく、できる事をやるものだ。選手というのは、試合をクリエイトする存在なのに、この試合に勝たなければならない、というプレッシャーをかけられ過ぎると、実際、自分たちの力を発揮できない。かつて、イビチャ・オシムはそう言っていたが、まさに然りだと思う。ブラジル対オランダの3位決定戦は、スコア「0-3」、ブラジルの完敗、オランダの完勝、という結果になった。呪縛から解き放たれたかのように戦うオランダの選手たち。呪縛に囚われ続けて戦うブラジルの選手たち。オランダとブラジルは対照的なチームだった。 このブログは皆様の応援で継続されています。 記事の内容が「興味深い、賛同できる」と思いましたら、 サッカー人気ブログランキング にほんブログ村 サッカーブログ サッカー FC2 Blog Ranking 上記3ヶ所への応援クリックを宜しくお願い致します。 注意:このブログのエントリー内容を盗用し、少しだけ言葉や内容を変えて自分のブログを書く、という行為はやめてください。また、そういうブログのエントリーを支持したり転載したりする行為も同罪です。
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いつも楽しく拝見させて頂いてます。
オランダは初戦が最強スペインだった事が幸いだったとも思います。 後、前大会準優勝だった事も。 強いオランダを倒したアルゼンチンに是非優勝してもらいたいです。 ブラジルに関してはスポーツでのメンタルの重要性を痛感させられました。 お手すきの際に各国の統括をして頂けると嬉しいです。 また、楽しみに更新をお待ちしてます。 |
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