クラシカルな10番タイプの司令塔が必要とされなくなったのは悲観的な要素ではない。
そもそも、ダブルボランチというのは、トップ下の選手のポジションを一つ下げてボランチを2枚にし、より守備的に、それから、よりサイドを攻撃的に、という意図があるので、もうその時点で、クラシカルな10番タイプの司令塔、いわゆる、FWの近くの下にいて、攻撃的な役割しか担わない、あるいは、得点よりも起点やアシストが主な役割とする、というような攻撃的なMFというのは、もはや無くなったとも言える。




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そういうタイプの選手というのは、FWに吸収されたと言うか、結局、よりFW的になるか、よりボランチ的になるか、それとも、後述もするが、基本的なポジションはサイドになるか、という事になり、例えば、遠藤保仁とか長谷部誠とか、香川真司とか本田圭佑とかは、昔だったらトップ下の選手だっと思うが、それが完全にボランチの選手になったり、または、ボランチやサイドで使われる事もあったり、という事になる。

これは、数的有利をいかに作るのか、数的不利をいかに作らないのか、という観点のアプローチからも、守備では人数を揃える事で数的不利を作らない、しかし、一方の攻撃では、守備もして司令塔としても、とか、守備もしてサイドアタッカーとしても、とか、サイドアタッカーもして得点も、とか、司令塔もして得点も、とか、1人の選手が2つ以上の役割を担う、こなす、という事によって、実質的な数的優位を作り出す。

という観点のアプローチがなされるようになっていて、それができない選手は、もし1つの役割では優れていたとしても、そういう選手は起用が限定的になったり、スタメンでの起用は少なくなったりしてしまう。それは、過去に記した、攻撃的な選手は天才的あるいは圧倒的である必要がある、しかし守備の選手は秀才的であれば良い、という事だったり、FWと2列目はボーダーレスになりつつある、という事にも関係する。

また、現代サッカーでは、アスリート化、あるいは、フィジカル化、その傾向が強くなっている、それから、守備ブロックが主流になってきた、という観点のアプローチからも1つ理由があって、テクニカルなだけの選手では、どうしてもフィジカル的な部分で負けてトップ下の位置では封じられがちになる、または、固定的にトップ下の位置に鎮座するようなプレイの仕方では、やはり封じられがちになってしまう、という事。

従って、それを回避するためには、例えば岡崎慎司とか大迫勇也とか本田圭佑とか、テクニカルであるよりもフィジカル的に対抗できる、または、テクニカルでもあるがフィジカル的にも対抗できる、そういう選手をトップ下には使うとか、あるいは、そもそも固定的なトップ下というのは置かず、FWが下がったり、ボランチが上がったり、サイドの選手が入ったり、一時的または瞬間的なトップ下で、という事になってくる。

そしてそれが、1トップならば、ゼロトップ的な考え方への到達にもなってくるし、サイドに、縦へ仕掛けるタイプのサイドアタッカーではない、または、利き足が逆の選手を配置する、という考え方への到達にもなってくる。攻撃から考えていかに守備を、という考え方をする人もいるが、現在の主流は、とうよりむしろ、セオリーは、守備から考えていかに攻撃を、という事であり、グアルディオラのサッカーでも実は同じ。

なぜかというのは、「間違った考え方が多い日本のサッカー。」、という記事に書いた通りで、つまり、例えば代表的な対称性のあるモウリーニョとグアルディオラのサッカーというのは、表面に見える攻撃や守備や仕方が違うだけ、もっと限定的に言えば、守備の設定位置が違うだけ。従って、その表面のところだけ真似してしまうと成功しないし、間違った考え方に陥ってしまう事になる。真はどこにあるのか、そこが重要。

という事で、前述してきたような理由で、クラシカルな10番タイプの司令塔、いわゆる、FWの近くの下にいて、攻撃的な役割しか担わない、あるいは、得点よりも起点やアシストが主な役割とする、というような攻撃的なMFというのは、もはや消えてしまった、もしくは、基本的には必要とされなくなってきている、という事が言える。しかし、それは、より質の高さを目指してのものであるから、悲観的な要素ではない。





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