サウジアラビア戦後 オシム会見&選手コメント
サウジアラビア戦後のオシム公式会見と選手のコメントからサウジ戦を分析してみます。

記事を読む前に、
◎ サッカー人気blogランキング ◎
○ サッカー FC2 Blog Ranking ○
へのクリックをお願い致します。
○ オシム会見

「サウジアラビアに「おめでとう」と申し上げる。それはまず言っておかねばならない。同時に、日本の選手もよくやってくれた。負けたわけだが、試合の最後まで全力を出してくれた。残念ながら疲労が上回ってしまった。特にチームの重要な選手にそれが起こってしまった。疲労から集中力が失われたり、アイデアが出なかったり、それが残念。サウジアラビアは結果として勝ったわけだが、こちらは2回追いついて、3回追いつくことができなかった。今後、克服しないといけない課題もあるだろう。だが日本の力が劣っていたとは思わない。試合の内容からいえば、チャンスの数ははるかに多かった。ただし向こうの方が運があった。こちらの得点が決まらないうちに疲労がたまってしまった。つまり、効果的に(ゴールに)結び付けるプレーができていなかった。彼らは3回のチャンスを全部、得点に結び付けた。こちらの集中が途切れた時間帯に、それが起こった。そういう内容だった。向こうの(攻撃の)3人と、こっちのDFの3人の関係をスコアが表している」

日程や移動などはサウジの方が厳しかったので、疲労は言い訳になりませんが、これも私は前から主張しているのですが、「日本の選手は90分のスタミナではなく1シーズンや1大会通してのスタミナが足りない」、ということですね。オーストラリア戦で120分戦って、中3日ありましたが、ほとんどの選手の疲労が回復しなかったように感じられました。それでも1度ならず2度まで追い付きましたが、そのことは素直に誉めてあげたいと思いますが、さすがに3失点目は日本の選手に疲労感を重ねました。しかし決定力のあるFWは本当に怖い。サウジが3得点の内1回でも外していたら・・・そう思います。日本も高原がいなかったら予選敗退していたかもしれませんしね・・・。韓国が予選で苦戦したのも準決勝で敗退したのも得点力(決定力)の無さに他なりません。東アジアは得点力のあるFWの育成が急務ですね。いくら中盤を支配しても、回数多く攻撃しても、それで結果が出なかった場合には、良い内容であったとは言えないものです。守備では1対1、とにかくそこですね。

「(日本は、スローなビルドアップだったのはなぜか?)スローなプレーにはそれなりの理由がある。最初の理由は疲労だ。もう一つの理由は、速いプレーを許されなかったこと。(サッカーは)相手なしで自由にできる競技ではない。確かにプレー全体がスローだった。中心選手が疲れからアイデアを欠いていた。つまり疲れていると、アイデアがわくのもスローになる」

この大会で素早いビルドアップを見せた試合はありませんでしたが・・・(苦笑) とにかく日本はボールタッチ数が多過ぎます。無駄なパス交換が多過ぎます。せっかく2トップにしてボールタッチ数の少ない攻撃から得点できるようになっていたのに、相手が守備的だと、ノーアイデアでボールを右へ左へ動かしてしまう。巻や高原がヘディングで競り勝ったりポストができた時にはチャンスになっていたのに、それを有効活用せず、ひたすらゆっくりとしたビルドアップから左へ右へボールを動かしているだけ。そして、センタリングも精度を欠いていたので、高原や巻の高さが活かせなかった。日本が奪った2得点は高原と中澤のヘディングからだったのに・・・。しかし、2得点したということは、攻撃では一定の成果を出したということですから、やはり問題は守備の方に大きかったのだと思います。

「(克服しなければならない課題とは?)何を解決しないといけないか、話すと長くなる。それはわれわれのベストな部分を、さらによくしなければならないということだ。世界のサッカーに沿った発展をしないといけない。最もアイデアのある選手たちは、よりスピードがあり、より多く走ることができて、選手の全面的な能力を備えている。全面的とは、さまざまな役割を果たすことができるということ。つまり今の中心選手の中には、自分にはできない、あるいは苦手なポジションがあるということだ。誰とは名前を挙げないが、よく試合を見ていれば誰について話をしているか分かると思う」

これには異論有りですね。そんなパーフェクトな選手がいたら強いのは当たり前だし、世界を見渡してもどこにそんな選手がいるのか、具体的に名前を挙げて欲しい程です。ロナウジーニョだろうがジダンだろうがドログバだろうがテリ-だろうが、どの選手にもウィークポイントがありますから、自分にはできないこと、苦手なポジションがありますから、それをもって選手を責めることだけは止めて欲しいですね。一長一短の選手たちを上手く活かすのが監督の役割で、全員がパーフェクトな選手だったら監督などいらないわけですからね。

「(1試合も失点ゼロに抑えられなかったのは、何が原因だったのか)どういうシーンで失点したかを分析しないといけない。もう一つ、われわれはリスクを冒してプレーしていたということだ。だからリスクを冒すということは、失点する確率が高いということだ。相手の2トップに対して、2人のストッパーで守備を長い時間続けたわけだ。そのリスクを冒すことで、もう一つ別のポジションでフリーになる選手が1人出てくる、という考え方だ。それがプレーメーカーだったり、素晴らしい選手だったりするわけだが、逆にリスク回避してリベロを置く、つまり3ストッパーを相手の2トップに付けるとするならば、中盤での数的優位を失われることになる。そのどちらを選ぶかだが、私は今のサッカーの信奉者である。その方が魅力的ではないだろうか。その方がオープンなゲームになるし、美しいフットボールになる。残念ながら、何かが伴わなかった。何が足りなかったかは、お分かりだろう」

相手が2トップだと4バックが不利とは限らないですよね。この試合では鈴木のパフォーマンスが低かったように感じたのですが、結局、オシムジャパンの守備は鈴木のデキに左右されるということが解ったような気がします。鈴木がどれだけ中盤で相手を封じられるか、危ない場面でカバーリングできるか、それが生命線になっているのだと思います。鈴木啓太については本人のコメントのところでも考察してあります。

○ 選手コメント

「(中澤)同点に追いついても、相手のたった1回の攻撃をはね返せなかった。相手を勢いづかせてしまい、止められる能力がなかった。相手のいいところを出させてしまった。ドリブルが得意なら、それをやらせないようにしないといけなかった。同じことを繰り返していたら成長しない。しっかりと振り返って、ワールドカップ予選につなげたい」

ん? ん? ん? サウジのFWがドリブル得意なのは事前から分析できていたのでは? まあ、予選でもオーストラリア戦でも、あれだけテクニックとスピードのある選手と日本のDF陣は対戦してきませんでしたからね。突然のことに足も頭もついていけなかったという感じです。日本はアフリカや南米のようなタイプの国というか選手が苦手ですから、そういうことだと思います。

「(俊輔)サウジの2トップは強烈だった。いい2トップがいることで、ほかの8人が守備に専念できる。ずっと8人で守っていて、やりにくい相手だった。向こうの守備も、よく日本を研究していた。相手の戦術にはまってしまった。追いかける展開では、タフさが必要になる。個人技を出すタイミングがまだ難しいが、チームの基盤は見えた」

俊輔のコメントは、ジーコジャパン時代から常にチーム状態の核心をついていて、かならず注目しているのですが、今回もそれをハッキリ言い表していますね。それは「個人技を出すタイミングが難しいが、チームの基礎は見えた」という部分の発言です。日本の選手がなぜシュートを打たないのか? なぜ仕掛けないのか? その答えが「個人技をいつ出すべきなのか判断ができない」ということなのだと思います。ボール回しして、左右にボールを散らして、ボール回しして、左右にボールを散らして、いつが仕掛けたりシュートするタイミングなのか? それが判断できない。相手が強くなれば強くなる程、そのタイミングは一瞬であるし、そのタイミングがいつなのか判断するのが難しくなります。「判断力」それが「個人技」と「パスワーク」を活かすことにもなり殺すことにもなります。
それから俊輔のプレーで気になったのは、遠藤、俊輔、憲剛との関係で、憲剛が攻撃参加して空いたボランチのスペースを俊輔が埋めていたこと。なぜボランチの穴を埋める役割が遠藤ではなく俊輔なのか? これは大いに疑問です。UAE戦でも遠藤が前で俊輔が後ろでしたよね? ベトナム戦では俊輔が前で遠藤が後ろになっていて、これの方がベストだなと安心していたのですが・・・。どう考えても憲剛の穴をカバーするのに適しているのは遠藤で、前に残るべきは俊輔で、もしオシムが俊輔にそういう役割を与えていたというならば、それは完全に起用法として間違っていると糾弾したいところです。

「(鈴木)失点してはいけない時間帯にやられた。後半の頭や、攻めようとしている時間での失点が痛かった。疲労の問題ではなく、自分たちのミスが多かった。失点シーンも、人数がいる中でやられている。目立つのはフィニッシュの部分だが、実際はその前から始まっている。いろいろなミスが重なった結果として失点した。サウジは非常に日本を研究していたと思うし、強い相手だった。決勝に行きたかったが、これが現実。負けるべくして負けた。自分たちの力をしっかり出せなかった。サウジはいいチームだったが、非常に悔しいし、残念」

サウジ戦では鈴木が前に上がったり、左サイドへ回り込んでサイドをオーバーラップするシーンが何回も見られましたが、私は鈴木がそういうプレーをするのが嫌いです。なぜならば、それによってDFラインの前の中盤の守備が弱くなるからです。鈴木には常にアンカーでいて欲しい。特に中盤の他の選手が遠藤、俊輔、憲剛であり、守備が弱く、守備に優れているのが鈴木だけという中盤構成なので、鈴木には中盤の底で我慢して欲しいと思います。まさにアンカー(船を動かないようにする為のイカリの意)であって欲しいと思います。

「(川口)みんな頑張っていた。やろうとしているサッカーを体現しようとしていた。ゲームの流れをいかに変えるかは、代表チームに限らず重要なこと。それは交代選手だけの責任ではなく、出ている選手が変えられるようにならなければいけない。常に同じリズムで戦うのではなくて、流れを読み取って、ボールの運び方なりを変えられるチームにならないと。このチームは、まだそこまでには達していない」

「流れを変える」「緩急」、それがオシムジャパンの最大の課題であり、オシムが監督として解決方法を探さなければならない最大の課題であるとも言えます。ドリブラーを選ばなかったこと、起用しなかったこと。左利きの選手を招集しなかったこと。交代采配が機能しなかったこと、その為の選手を招集しなかったこと。それが流れを変えられなかった原因であり、緩急を生み出せなかった原因でもあります。個人の力で流れを変えたり緩急をつけられないならば、選手の組み合わせや交代采配によってそれを生み出せるようにしなければなりませんよね。私の好む「左右非対称(シンメトリーではない)」という考え方も、このことからきています。オシムがこの課題を解決できるかどうか、これは今後厳しくチェックしていきたいですね。

少しでも面白いと感じましたら

◎ サッカー人気blogランキング ◎
○ サッカー FC2 Blog Ranking ○

への応援クリック投票をポチッと宜しくお願い致します。
関連記事
【2007/07/26 18:53】 | オシムジャパン考察 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
<<3失点の原因と責任&3点目を奪えなかった原因を分析 | ホーム | サウジアラビア戦 アジア杯07’準決勝>>
コメント
ハジメさん、コメントありがとうございます。

そうですね、Jリーグのレベル、
1対1での粘りある守備、
というものがもっと頻繁に見られるようになると良い気がします。
各国リーグに特徴や違いはあっても然りですが、
そろそろ世界基準というものを求めても良い気がします。
【2007/07/26 23:38】 URL | 管理者 jube #-[ 編集] | page top↑
やっぱりJリーグのLVあげないと。
Jリーグの厳しく当たるとと簡単に倒れてファールって悪循環をレフリー、指導者含めて改善して欲しいです。
普段のプレーが重要な時に出てしまう、プレーが軽かった気が。
【2007/07/26 19:34】 URL | ハジメ #-[ 編集] | page top↑
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
→http://kodahima.blog71.fc2.com/tb.php/553-a6ab2c37
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |