カメルーン戦後 オシムと選手のコメント
なかなか興味深いコメントもありましたよ。

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○ オシムコメント

「ご覧の通り、何ができて何ができないかが、はっきりした試合だった。また、強いリーグのチームでプレーしている(カメルーンの)選手と、そうでない日本の選手との違いもはっきりした。もちろん身体能力の違いもあるし、コレクティブ(組織的)かどうかの違いはそれほど大きくはなかったと思う。カメルーンのような強いチームと対戦する機会はなかなかないから、ここで選手が何かをつかんでくれればと思う。フィジカルの違う相手との戦い方、ボールをめぐっての競り合い、そういった経験を積んでもらえたと思う。カメルーンのような対戦相手は、日本には存在しない。体格の差などのハンディについては、もっと走ったり、コンビネーションを使ったりして補わないといけない」

カメルーンの底力はまだまだこんなものではないですからね。「フィジカルコンタクトのテクニック」それを日本の選手は身に付けないといけないと思います。「もっと走る」「コンビネーション」、もちろんそれも大事ですが、個人技でバッサリやられてしまえばそれまでなので、「1対1における強さ」というものを、技術、体力、知性、において高める必要がありますね。

「今日の試合では、中盤で簡単にボールを相手に渡してしまった。ボールだけでなく、ゲームコントロールできない時間帯が長く続いたのは、皆さんがご覧になった通りだ。そういうところで、強いチームはミスをしない。必要のないところ、本来すべきでないところでミスをして、ボールを相手に渡してしまったのは反省すべきだ」

目に見えないプレッシャー、そういうものがピッチには存在して、加地がガツンとやられた時に、日本選手全体が萎縮したというのがありましたよね。そのプレッシャーによってミスが出たり、試合のコントロールを失うことになるわけです。オシムは技術ということだけに言及していますが、私は精神的な要素が大きいように思います。

「ただし、一部の選手が予想以上に興味深いプレーをしてくれたのは収穫だった。昨日話したように、(前日練習では)DFのための練習をしていて、攻撃のための練習はほとんどしなかった。(この日の試合は)しっかりと守備を固めれば、強敵に勝つこともできるという例だったかもしれない。スタメンの11人がスタミナがある間は、いいサッカーができたと思う。もちろん、それだけでカメルーンに勝てるとは思ってはいなかった。これはテレビのインタビューでも言ったことだが、今日の試合は序章、第2章と、まったく違う展開のサッカーの本を書いてしまったようだ。ただしその本は、行間を読まなければならない本である」

「攻撃的なサッカーで勝つ」というのが今までオシムが書いてきた日本サッカーの本でしたが、この試合では「守り抜いて勝つ」という別の本を書いてしまった、ということを言いたいのかなと思います。しかし、その「守り抜いて勝つ」という本に書かれていることには、行間に「但し書き」があるということなのでしょう。

「そうした問題があるのは秘密ではない。遠藤が立ち上がりから終わりまで、速いテンポでプレーできれば理想的だ。しかし、これまでと違う点にも気付いてほしい。カメルーンの選手は、個々がボール扱いがうまい。彼らがリードされている展開では、チーム全体が攻撃的になっていた。しかし、われわれは残念ながら、攻撃的なグループ、守備的なグループに分かれてしまっている。中盤では、サイドの右と左はまずまずだったが、カメルーンがプレッシャーをかけてきたら、問題がどんどん出てきた。特に中盤の攻撃的な選手とFWの選手は、所属チームでディフェンスすることに慣れていない。もちろん守備だけでなく、強い相手に対して攻撃に行くことは、さらに難しかった」

アジアレベルから世界レベルへ、これは私のブログで何度も何度も繰返し書いていますが、そこが日本代表の最大の壁なわけですね。そして、相手のレベルが高いと、守備よりも攻撃の方が難しくなるというわけですが、さて、どちらを選択するのか、守備的か、攻撃的か、オシムはどうするのか期待したいですね。

「例えばラインの高さ、あるいはDFを含めてどれだけミスをせずにパスを回せるか。それらを比べてみても、いかに日本がつまらないミスをして、相手のチャンスのお膳立てをしていたか。つまり純粋にスキルが低いということだ。パス、ボールタッチのテクニック。本当に基本的なところだが、いかに実戦の中で力を発揮できるかどうか。この分野では、日本のサッカーはまだまだ子供であると言わざるを得ない。プロの国際試合で起こってはならないミスが起こってしまった」

まあ、当たり前のことをオシムは言っているだけですが・・・。レベルの高い選手や組織はつまらないミスをしないものです。演舞と実戦には雲泥の差があり、それを肌で理解している指導者がまだまだ日本には少ない。指導者の役割は練習させることにあらず。ということですね。

「私も場合によっては、危ない時には観客席に届くくらい遠くにボールを蹴れ、常にエレガントである必要ない、と選手に言う用意はできている。しかし、守備陣がパニックに陥って、とにかくクリアだ、と、タッチラインの外にボールを蹴り出すことは感心しない。その点について話すと長くなるが、今日の試合で見ることができたのは、就任からこれまでの1年間、選手に分かってもらおうと話し続けたことの内容の一部ではなかったかと思う。コレクティブなプレーの中で、個人のクオリティーをどう結び付けるか。強い相手と対戦するときに、個々のクオリティーが問題になる。カメルーンの選手との1対1でのボールの奪い合い、スピードの比較。さまざまな部分で考えるべきポイントは少なくなかったと思う」

効果的なプレーとは何か? セーフティーなプレーが効果的なプレーである場合もあるし、リスクの大きいプレーが効果的な場合もあります。組織的なプレーも、個人技によるプレーも、同じですね。

「もちろん、よかった点もある。一つは現実を直視する、客観的にサッカーを観察することが大事だということを、今日のような試合の後、選手も記者の皆さんも身に付けられたならば、それは歓迎すべきことだ。しかし強豪カメルーンに勝ったからといって、日本が世界チャンピオンになったかのような錯覚をしてしまったら、話はまた振り出しから始めなければならない。今日の試合をどう評価するかについては、メディアの皆さんにお任せしたいと思う」

まあ、さすがにこの試合をもって「日本はカメルーンより強い」と豪語する人間はいないと思いますが・・・(苦笑) 日本のメディアはよほどバカにされているようですね(苦笑)

「選手同士の関係、走る量と質、自己犠牲のプレー、プレーへの意欲。それらはトップレベルに近いものを日本の選手は出していたと思う。ただしそれは、十分ではないことを認めなければならない。より高いレベルのサッカーをする上では十分ではない。選手たちは、リーグ戦の日程が詰まっている中でよくやってくれた。アジアカップで出場した選手は、疲労がまだ取れていなかったのかもしれない。休暇もなしにJリーグ、今日の試合と続いていた。しかし、アジアカップに出場した選手は何とか走れていたが、そうではない選手がエネルギー切れを起こす時間帯があったことは、何とも皮肉なことだ」

残念ながらJでのトップパフォーマンスは世界のトップパフォーマンスではないということですね。でも、今はそれを嘆いても、歴史が違うのですから仕方ないことなので、なるべく多くの選手が良い条件で海外リーグへ移籍できるようにすることが、まず現実的なのかなと思います。アジア杯に参加していなかった選手がスタミナ切れを起こしていたということですが、スタミナ切れというよりは、迷いによって動きが止まっていたように見えましたね。

「(後半3バックにしたことについて)予定を立てていても、相手があることだ。向こうは後半の頭から2トップで来た。それに対応したものだ。その点について、細かくは選手たちとこれから話したい。私の印象では、選手がよく考えた結果、そうしたのだと思う。つまり2トップに対して、最後列で1人余らせる守備を選択した。そういう選手の意思は尊重すべきではないか。ただしその際、中盤で選手が1人減るわけだ。その減った分、選手が余計に走るなり、工夫したりすべきなのだが、それができていなかった。遠藤が守備的な位置まで引かないとといけない。もちろん悪くないプレーだった。しかし、阿部のポジションで遠藤がしっかりした守備ができるとは私は思わなかった。阿部や啓太(鈴木)が、遠藤のような攻撃能力を備えて、守備をできればよかった。あるいは、阿部や啓太といった守備のできる選手が、遠藤のような攻撃力があればよい。しかし天は二物を与えずというか、特に日本では、まだ選手の役割分担がはっきりしている。モダンなサッカーに追いつくには、攻撃も守備もできる選手を増やしていかないといけない。今日は、カメルーンに勝ってしまった。皆さん、五輪代表の試合を見たくないですか(笑)」

少し前にこのブログで「モダンなプレーとは?」ということを皆様へ質問しましたが、今回は「モダンなサッカー」ということについて述べていますね。モダンなサッカーへ追いつくには攻撃も守備もできる選手を増やさなければならない、とオシムは言っていますね。まあ、これはあくまでオシムの考え方で、私の考えるモダンなサッカーとは異なりますが・・・。

「(交代について)基本的にはそういうことだ。スタッフ、コーチの間では、3人の攻撃的なグループを、後半の頭から別の3人に交代させる計画はあった。これは事前に選手には話さなかった。しかし前半を見ると、スタメンの3人はいいプレーしていた。そこで後半は、様子を見ることにした。しかし、あるところで交代を決断した。代えてみて、少々残念に思ったのは事実だ。結果として、3人を交代して6人を試すことができた。田中達也、大久保、前田の3人は、もっとスタミナがあってコンディションがよくて、最初のプレーのリズムを維持できたら、もっと長くプレーさせていた。ハーフタイムで特に攻めの選手には、力をセーブせずに、できるところまでやれと指示した。もし後半に投入した3人を先発させていたら、また違った試合になっていたかもしれない。ひょっとしたら、今日のスタメンの選手よりも、もっといいプレーをしていたかもしれない。逆に、今日のスタメンの選手が、あまりパッとしないプレーをする可能性もあった。自分のチームがリードしているときに、攻撃の選手が途中で入って、いいプレーをするのは難しい。相手の守備力が高い場合は、なおさらだ。カメルーンが追いつく、あるいは逆転するという展開になれば、交代が失敗したと言われるのは決まりきったことだ。」

長々と話していますが、あまり意味のあることは言っていませんね(笑) 後半の3人が前半の3人に比べて悪く見えたのは、もちろん3人のパフォーマンスもありますが、カメルーンが攻勢に出てきたことや、3バックに変えたことが大きかったように思います。


○ 選手コメント

「(闘莉王)(中澤とのコンビについて)中澤というより、みんな一丸となってやった。高さは計算できるし、経験もあるし、そういうところはよかったんじゃないか。でも最後は5バックになってしまったのがつらい。アジアカップでは、内容はよかったけれど、結果が出なかった。監督は内容にこだわっているのかもしれないけど、結果を出しながら内容をよくしていくのが一番。(得点について)自分よりでかい選手ばかりで、高さで勝つのは難しい。相手より前で触れれば、何とかなると思っていた。遠藤からいいボールが来たので触るだけでした。GKが出てきたのは分かっていた。狙い通りに行ってよかった」

ウイングバックが加地と今野という3バックでは、5バックになってしまうことは仕方ないですね。駒野に変えて今野を入れた時点で、オシムとしては4から3への変更意図は無かったと思いますが、選手は相手が2トップになったことで自ら判断して3バックにしてようです。まあ、この辺りの判断はどうするべきななのか、話し合いが必要でしょうね。

「(山瀬)(試合を)落ち着かせる時間をどこかで作れればよかったけれど、行ったり来たりの展開になってしまった。途中から出る選手は、何とかチームを落ち着かせるのが仕事。今日は流れの中では何の仕事もできず、不完全燃焼のゲームだった。(プレスの掛け方は)所属チームも違うし、やり方も違う。どこに追い込むかも違ってくるので、どうしても違うタイミングになってしまった。ゴールという結果はあったけど、大事なのは内容。ゴールは後半40分くらいの間のほんの1、2秒でしかない。40分通して、どうだったのかが大事」

マリノスの場合はチェルシ-型のスタイルとプレスですから、オシムジャパンとは大きく異なるわけですね。所属クラブのサッカーとは異なるサッカーをやる代表にどう順応していくのか、それが山瀬の課題となりそうです。あのシュートを見ても、Jで10得点という結果を見ても、中盤で得点が取れる選手はオシムジャパンに絶対必要だと思いますから、ぜひ生き残って欲しいと思います。

「(大久保)先発はアップの前に言われた。ポジションはMFでもFWでもなくて「そのへんにいろ」という感じ。前半は、どこまで下がっていいのか分からず、きつい部分もあった。ハーフタイムに監督に確認したら「好きなようにやっていい」と言われた。チーム(神戸)と同じようなイメージでやってみた。ノーゴールという結果は仕方がない。」

最初は3トップではなく、大久保は左SHかなと思ったのですが、遠藤や田中達也の位置を見ると3トップかなという感じでした。FWだとかMFだとか、具体的な指示がなくて、どっちでもありどっちでもない、という感じなのでしょう。要するに攻撃も守備も自分で判断してやれということなのだと思います。大久保のような野性味で勝負するタイプの選手には頭が疲れただろうと思いますね(笑) でも、そこの成長が大久保には必要ですから、良いことだと思います。

「(加地)フィジカルが強くて、速い相手と対戦したのは、いい体験だった。(流れの中からのゴールがなかったが)とにかく勝てばいい。課題は常にあるし、勝った中でも見つけながら修正していくことが大事。今日はもう少し、冷静につなぐべき場面があったのに、蹴るサッカーになってしまった。こっちのフォーメーションと相手のフォーメーションを判断して、変えていくことに気を使った。最初は4バックで、相手も3トップで来たので4のままで行った。後半ずるずる下がってしまい、中盤も薄くてしまった。でも前半は収穫が多い試合だった」

U-17ナイジェリア戦を見た人は感じたと思いますが、組織的なプレーも高い個人技にバッサリと切られてしまい散々な結果になるわけです。若い世代の個と組織についてはまた改めて記事を書こうと思いますが、フル代表でも同様なわけです。

「(遠藤)前半はサイドも突破できていたし、そんなに悪くなかった。後半は、もっとボールキープができればよかった。勝っている状況だから、もっと落ち着いてやれればよかった。(後半3バックにしたのは)相手が2トップで来たから、3-5-2っぽくした。(中盤で)キープすることを考えると4-4-2とか4-3-3がよかったけど、失点しないという前提があったから。簡単にボールを失う場面も多かった。もっと正確につなげればよかったと思う。前の3人はスピードがあるし、できるだけ相手の裏に行けるようなパスを意識した。ただし相手のDFも速かったので、結局は裏より足元でもらう回数が多かった。(ゴールシーンのアシストは)闘莉王の動きは見えていた。そこまでは狙ったつもりはないけど」

「3-5-2」っぽくしたって、中途半端な・・・(笑) 2006年の記事でも書きましたが、あまり難しいことをやろうとし過ぎない方がいいですね。それによって意図せず5バック気味になったり、コンパクトさを欠いて中盤のプレスが弱くなったりしたのでは、そういう複雑なことをやろうとする意味すら無くなってしまいます。まあ、この辺りは、オシムが選手と話し合うと思いますが。

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【2007/08/23 12:43】 | オシムジャパン考察 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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