水野晃樹と石川直宏からレベルアップについて
卓越したスピードとドリブルを持つ右サイドアタッカーとして注目を集める水野ですが、私の目からはまだまだ成長の必要性を多く感じます。今回はそこに石川直宏もからめて、選手のレベルアップやカテゴリー別の育成にまで話しをしてみようと思います。

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○ 何が足りないのか?

「日本代表のフルメンバーとしては、まだ彼は子供だ。才能には恵まれているし、アイデアも溢れるほどある。ただし、そのアイデアに自分がとらわれてしまう。彼には、効果的なプレーをしろと。つまりサッカーのプレーをしているというよりも、ボール遊びが好きな選手だから、そういう選手がプロとして、職業としてサッカーをしている選手と混じって出場するわけだ」

キリン杯モンテネグロ戦後の記者会見で、オシムが水野という選手を評してこうコメントしていました。私も同様の認識を持っています。U−17日本代表には個の力の無さを感じ、個性の無さ、スペシャルの無さを感じたわけですが、水野にはすでにスペシャルな個性を感じることができます。つまり、水野という選手に関しては、個の育成という段階は1つ終了して、次の段階、今度は組織の中で自分のスペシャルなものを効果的に活かすプレーができるのか? が問われる段階にきています。それは、ジェフでも五輪代表でも、そして、フル代表であっても、自分の武器を組織の中でどう活かしていくのか? ということになります。そこをクリアしないと、いくらスペシャルなものを持っていても活躍できないことになります。そこが成長できず活躍できなかった、伸び悩んでいる、そういう選手をたくさん見てきました。前園、大久保、石川、などなど・・・です。特に石川直宏(現FC東京)と水野というのはシンクロするところがあります。両者共に卓越したスピードとドリブルを持つ右サイドアタッカーですよね。つまり、水野の数年後の姿が石川直宏であると私は感じています。そこで、石川直宏がいまいち伸び悩んでいることを分析しながら、水野晃樹の今後の課題、一流選手、勝利を導ける選手になる為に欠けているものを考えてみたいと思います。

1 判断力と連携力

石川という選手を見ていると、ドリブルした後のプレーに判断力の甘さが見られます。縦に突破してセンタリングを上げるのがベストなのか、それとも、横にドリブルしてシュートを打つのがベストなのか? その判断が間違っていることが多々あります。中央でフリーになっている選手がいるのにシュートを打ってしまう、ゴール前に味方が存在せずシュートコースが空いている状況でセンタリングを選択してしまう、というようなことです。これは、状況判断無しに、ドリブルに入る前から、センタリングするのかシュートするのか決めてプレーしてしまっているということが原因であるように思います。これでは効果的な組織プレーにはつながりません。そして、水野においても同様なところがあります。これがプレーの単調さにつながっているわけですね。ドリブルからどういうプレーをするのかわからない、というようなプレーでなければ、なかなか高レベルのDF相手には通用しません。ロナウジーニョ、C・ロナウド、という選手にはそのプレーに意外性と幅がありますよね。そして更に、そのドリブルからのプレーで、周囲の選手との関係性で、2人3人とパス交換などをしながら連携してドリブル突破することができています。これが連携力ですね。この判断力と連携力の高まりなく、ただドリブルによる突破だけをやり続けても、世界と対等に闘うことはできません。そして、オシムが水野に求めていることも、そういうことなわけです。

2 得点力と組織的な守備力

世界のサイドアタッカーを見ても、優秀なサイドアタッカーというのはゴール前での恐さを持っています。これが無い場合には、1つポジションを下げて、サイドバックにならざるえません。FWの裏でゴール前に飛び込む、左サイドから展開されたボールを持ち込んでシュートを決める。そういうストライカー的、セカンドストライカー的なプレーも求められるというわけです。しかし、石川と水野にはそういうプレーにまだまだ脅威を感じません。3トップである場合は当然のこと、ウイングバックやSHであっても、サイド突破のみでそういう得点力というものが備わっていなければ、組織の中での効果的なプレーとしては50点ということになります。また、組織的なプレーの中で、攻撃的な選手としての守備力というものも必要となってきます。運動量と正しい判断力で守備に戻ることもそうですが、組織的なプレスのファーストアタックやセカンドアタックとしても、パスコースを限定させるプレスの仕方をするなど、そういうことが求められてきます。これに関しては、石川も水野もまだまだ赤点と言えます。オシムが指し示す部分も1つはここにあるわけです。

○ まとめ

五輪代表というカテゴリーは、個の育成段階であるユースでもなく、個も組織も求められるフル代表でもなく、その中間地点にあたるカテゴリーです。つまり、そこでは何が問われてくるのかと言えば、ユース時代に見出され育てられてきたスペシャルな個を持つ選手が、今度は、フル代表へとステップアップするにあたって、個を組織の中で活かせるようになるのか? ということになるわけです。水野にもそういうことが求められているということですね。それがチームの一員として勝利を導ける存在となるのか? フル代表への招集へとつながるのか? ジェフの中で特別な存在となるのか? まさに別れ道になっているわけです。もしその部分での成長が無いとなると、そこから伸び悩んだまま終わってしまうことになると言うわけですね。

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【2007/08/29 00:56】 | 選手評価 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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