総論 ジーコの言葉
ジーコの言葉にも、
面白く興味深いものがあります。
しかし、
そこに傾向というものがありますので、
それを各論に入る前の総論として、
前述しておきたいと思います。

記事を読む前に、
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傾向1

<優秀な選手とはどのようなものか?
強いチームとはどのようなものか?
ジーコは良く知っています。
しかし、
ではどうやって優秀な選手になるのか?
ではどうやって強いチームを作るのか?
というところの方法論に関しては、
弱いという感じがします>


優秀な選手が、
必ずしも優秀な監督になれるわけではない、
ということは、
ジーコ自身も言っています。

それはなぜかと言えば、
最高を知っていても、
最低を知らないから、
なのだと思います。

数学を教えるのが上手い講師というのは、
自分が数学でとても苦労して、
1つ1つ丁寧に塗り潰すように、
数学を克服してきた人である場合が、
多いように思います。

つまり、
そのような講師には、
数学が不得意な生徒が、
どこで躓いているのか、
理解できるからなんですね。

方程式や関数が解けない子供というのは、
実は方程式や関数が難しいから解けないのではなく、
足算、引算、割算、掛算、という、
基本的なことができていないから、
ということが多いわけです。

しかし、
数学的な思考を得意としている人間には、
なぜ、足算、引算、割算、掛算、という、
簡単なことが理解できないのか、
理解できないわけです。

なぜ方程式や関数が理解できないのか、
理解できないわけです。

そして、
ジーコにも、
同じように感じることがあります。

ジーコの言葉を追っていくと、
その言葉は、
オシムと同じことを言っている言葉が、
多く見られます。

しかし、
なぜそれができないのか?
どうやってできるようにさせるのか?
ということに言及した言葉というのは、
あまり見られないわけです。

ブラジルや欧州の、
才能に恵まれたサッカー選手の中で、
プレーしてきたジーコにとっては、
出来て当り前ことが、
多いので、
当然日本人選手も、
それができるはずだ、
という気持ちがあります。

日本人選手に対して、
高い可能性を見出してくれていることは、
とても嬉しいことなのですが、
まだまだ日本人選手は、
南米や欧州の選手が、
当り前にできることをできていない選手が多いので、
そこには、
やはりギャップがあるかなぁ、
と感じるところです。

傾向2

<自信に溢れており、
ジーコは最後まで選手だった>


ジーコの言葉を書くにあたり、
全てのジーコジャパンの試合の、
試合後のジーコの会見を読み直してみたが、
そこには明らかな傾向がありました。

1つは、
絶対に選手を悪く言わない、
ということです。

記者が敗戦の理由や
動きの悪かった選手について尋ねても、
返ってくる答えはいつも同じです。

選手はよくやった、
内容はこちらの方が上回っていた、
采配ミスもなかった、
ただ、
運が少し悪かった、
というようなニュアンスの言葉が、
多く感じられました。

個人個人の選手に対して、
絶対にマイナスの発言をしない姿勢というのは、
素晴らしいと思うと同時に、
まだジーコは選手としての気持ちが強いのだなぁ、
監督になりきれていない、
ある種の非情さというものを持ちきれていない、
と強く感じました。

また、
ジーコの試合分析というのは、
個々の選手に言及することがなく、
全体的なことを指摘することが多いとも感じます。

「つるべの動き」ができていたとかできていなかったとか、
プレスにいけていたとかいけていなかったとか、
そういうことです。

誰ができていて、
誰ができていなかったのか、
そこは言わないことが多いと感じます。

そのできなかったことを、
どの選手がどの動きをすれば良いのか、
そこまでは、
言及していないことが多く、
ジーコの言葉を聞いていると、
何となく納得してしまうのですが、
細かい部分での分析というのは弱く、
そこの修正は、
選手に任せる、
ということが多いように思います。

「自由」とか「放任」とか「信頼」とか、
言い方は様々あると思いますが、
要するに、
選手としての哲学や理論は最高なものを持っているものの、
監督としての哲学や理論は、
総論としてしか有してなく、
各論にまで至っていない、
ということなのかなと思います。

選手として最高の選手であるという自信に溢れており、
それが周囲を納得させるのですが、
監督としては、
まだまだ手探りであったように思います。

傾向3

<足りない心理把握とコンディション管理>

監督として足りないのは、
各論としての指導方法もそうなのですが、
選手の心理把握とコンディション管理、
モチベーション管理などは、
全くまだ未熟であるように感じます。

和を大切にし、
スター選手でも、
和を乱す選手は使わないとか、

主力と控え選手が、
同様のモチベーションを維持することが大切だとか、

今後掲載していきますが、
他にも多数、
そのような言葉が、
ジーコの言葉にもあるのですが、

ではどうやってそれをするのか?

ということは、
言っていない場合が多いと言えます。

つまり、
オシムもジーコも、
強いチームとはどのようなものか、
それは同レベルで知っているように思うのですが、
それを作る方法論というのは、
ジーコに確立されたものを見出せません。

細かいところへ話が及ぶと、
「それは難しいことです」
とか、
「才能が必要である」
とか、
そういう答えになってしまっています。

特に技術面よりも、
精神面でよりその傾向が強いと感じました。

ジーコは、
選手として、
かなり高い精神力の持ち主なので、
そのことについて、
深く考える必要が無かったのかなと思います。


○ 総論まとめ

ジーコを考察していると、
まだ選手に対し寛容であり、
そして、
自分は最高の選手であったというプライドが、
常に顔を覗かせてきます。

つまり、
監督という職業へと、
まだ思考が切り替わっていなかった、
そう思えます。

フェネルバフチェでどうであるのか、
それは解からないのですが、
日本代表の監督であった時には、
そうであったように思います。

実績を重視し、
選手に高い信頼を置く、
それは、
ジーコが選手であった時に、
そうして欲しかった、
ということなのかなと思います。

しかし、
オシムを見てもベンゲルを見てもそうですが、
監督には、
ある種の非情さも必要とされる場面があります。

また、
若手の育成や、
心理面での指導というものが、
監督の重要な仕事であることも、
然りであります。

従って残念に思うことは、
ジーコがもっと監督としての経験を積んでから、
日本代表の監督になって欲しかった、
ということですね。

そうすれば、
日本代表にとっても、
ジーコにとっても、
プラスになったように思います。


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