ホームイエメン戦で勝利し、アジアカップ予選3試合目、そしてオシムジャパンとしても3試合目となる、アウェーのサウジアラビア戦。ハードスケジュールと厳しい暑さの中での試合となった。
結果は残念ながら0-1で日本の敗戦。オシムジャパン初アウェーは初黒星となった。今日の日本代表を一言で言い表すと、
「子供のサッカー」 だったと言えるだろう。オシム教室の生徒たち(子供たち)は、ただボールを追って走り、ただボールを蹴って遊んでいるだけだった。 サウジアラビアは「小さな小さなブラジル」といった印象だったが、センタリングを含むラストボールの精度が悪く、シュートも不正確だった。それによって何度も日本は助けられたが、得点シーンだけはサウジに神様が味方したようだ。 アウェーでもあり、0-1での敗戦はそれほどショックな結果ではない。問題は内容がどうだったかだ。まず、 「速い攻撃、ダイレクトパスを意識するあまり、しっかり『つなぐ』ということができていなかった」 ということがある。巻と田中達也が前線でボールキープと「ため」を作れないと、中盤にそういうタイプの選手がいないオシムジャパンではボールの落ち着き所がなくなる。 イングランドスタイルのような、まず前線FWにボールをあずけて、それを上がってきたボランチに落としたり、そのままサイドに展開したりするサッカーをオシムが目指すならば、今日の内容は0点だったと言えるだろう。 後半、システムを「4-4-2」から、阿部を最終ライン左に下げた「3-5-2」へ変更してきたことによって、サイド攻撃は活性化したが、逆に中盤での守備力が低下した。 鈴木が一枚ボランチになってしまい、失点シーンなどでは中盤のプレスが全くかかっていなかった。 田中達也に代え佐藤寿人、巻に代え我那覇、鈴木に代え羽生、最後は闘莉王まで前線に上げてゴールを狙いに行ったが、勝利への意欲は低かったようだ。 両チームの選手共に、後半25分頃にはもうバテバテだったが、やはりホームのサウジに分があったことは確かだろう。 さて、今日のスタメンだが、ホームイエメン戦と同じメンバー。川口、駒野、闘莉王、坪井、加地、鈴木、阿部、三都主、遠藤、田中達也、巻。 自分としてはこのスタメンに少々疑問がある。遠藤は攻撃的MFの位置で、イエメン戦でも機能していなかったし、FWのスタメンも、現在の調子から考えると、我那覇と佐藤のツートップの方が良かったのではないかと思う。結果的には、巻、田中、我那覇、佐藤、全てのFWに良い動きはなかったのだが・・・。 特に遠藤のポジションや与えられている役割が不明瞭なところが気になる。攻撃的MFなのかボランチなのか?よくわからないところがある。もし遠藤にボールの配給役を担わせるならば、明確にボランチとした方が良いように思う。 次のイエメン戦まで数日しかない。オシムがこの数日でどこまで修正してこれるのか、第一の関門が待ち構えていそうだ。 日本人選手評価(10点満点) 巻 :4点:存在感なし。 田中:5点:やはり疲れあるか? 遠藤:4点:良いシュートもあったが機能していない。 三都:4点:活きない試合が続く。 鈴木:5点:前半はよくリバウンドに絡んでいたが、後半一枚ボランチになってからはスタミナが切れた。 阿部:4点:もっとメリハリの効いたハッキリしたプレーを。 駒野:4点:毎度同じく、左は厳しい。 加地:5点:個人技での突破はまあまあだが、今日はそれだけ。 闘莉:4点:攻撃のことばかり考え過ぎ。 坪井:4点:目測誤ること多し。 川口:4点:GKの凡ミスは命取り。ベテランならしてはいけない。 これで3試合終り、オシムジャパンは2勝1敗となったわけですが、やはり、なかなかオシムサッカーは浸透できていないみたいです。今日の試合では「考えて走るサッカー」はどこかに消えてしまっていました。 若さ、なのでしょうか?経験不足がこれほどまで如実に表れてしまうと頭が痛いですね。トリニダード・トバゴ戦、そして練習では出来ていたことが、少しのプレッシャーと緊張感で、どこかに吹っ飛んで行ってしまう。今日の試合、サウジにゴールを決められた後は、選手の頭の中は真っ白になったのではないでしょうか。前半からイージーなミスやヘタな縦パスを繰返す姿は「お子様サッカー」そのものでした。
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