日本代表考察 システム戦術編
日本代表を考察するにあたり、
当然今の日本代表をベースとしていますが、
岡田ジャパンという範囲だけではなく、
日本代表という範囲でも考察してみたいと思います。

記事を読む前に、
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○ 日本人選手に適したスタイルとは?

結局これを考える時というのは、日本代表が良い試合をした時のことや、海外リーグに所属している選手が活躍出来ている時というのを考えてみる、ということになると思います。しかし、1つ重要なことは、この、良い試合をした時のことを考えてみる、と言っても、アジア相手の試合は過度に参考にできないということです。なぜならば、日本選手は既にアジアの中では個の力で高いものがあると私は感じており、アジアカップを制覇したトルシエジャパンであってもジーコジャパンであっても、決して内容が素晴らしかったという印象は無く、結局最後は個の力と少しの幸運で勝ったと、個人的に思っているからです。オシムジャパンがアジアカップを優勝できなかったのは、アジアの個のレベルが少し上がってきたこと(しかしそれは中東が帰化選手を増やしていることが大きい)、そして少しの幸運が無かったこと、それがあったと思っています。従って、欧州や南米の強豪国と対戦した時のことを考えると、まずは、

1 中盤での組織的な守備プレス

ということになると思います。これが高いパフォーマンスを発揮できいる時というのは、相手がブラジルでもイングランドでも、互角か、それ以上の戦いをしています。また、俊輔や高原が海外で活躍している時のことを考えてみると、他の選手が良い守備をしてくれて、俊輔や高原にボールが集まり、速いサポートをしてくれている時、ということも然りだと思います。日本代表が世界と戦う時に必ず出るキーワードが、個で勝負せず組織で勝負する、ということですが、それがこれなのだと思います。要するに1対1の勝負をしない、ということですが、これを実現するには、DFはラインでオフサイドを狙っていく、コンパクトにして走り回り、どの局面でも数的優位を作る、早い攻撃でシンプルなパス回し、高いサポート意識によって攻撃する、要するに現在のピクシーグランパスが見せているようなサッカーということですね。鹿島や浦和が見せているようなサッカーというのは、攻撃に関して多くをブラジル人選手に依存しており(浦和は2007年のこと)、なかなか日本代表でやるのは難しいところがあります。つまり、岡田監督が得意としている堅守カウンターサッカーを日本代表でやり、世界を相手に点を奪っていくのは難しいとも言えます。そう考えると、トルシエの志向したスタイル、そして、オシムの志向したスタイルというのは、大筋間違っていなかったと言えます。もっと言ってしまえば、トルシエのフラット3とオシムの走るサッカー、これをミックスさせたものがベストだと考えることもできます。リスクを背負いながらもフラットなラインを敷き、DFと守備的な中盤の選手で守備ゾーンのブロックを作り、前から前からプレスを仕掛けていく、これが日本人選手の特徴と言えるのかもしれません。カテナチオ的なサッカーをしてしまった場合には、多くの場合、引き分けか「0−1」での敗戦、という結果しか出ないと考えられます。そしてもう1つ日本選手の大きな特徴と言えば、中盤に良い選手が多い、特に、

2 ボランチ的な選手に良い選手が多い

ということだと思います。これも「中盤での組織的な守備プレス」というスタイルをするのに適していると言えそうですね。そして更に、日本人選手の特徴としては、自由や流動的ということよりも、個々の役割を明確にして、それを100%果たさせるようなスタイルの方が適しているということです。つまり、

3 明確な役割分担で極力「流動性」を求めない。

ということです。しかしこれは、カバーリングをしないとか、守備の選手が攻撃参加しないとか、そういうことではありません。要するに、選手の能力として、ボリバレントはあまり求めないということです。

では以上のようなスタイルであることを前提に、どのようなシステムがベストなのかを次に考えていきます。


○ 日本人選手に適したシステムとは?

ここで1つ思い出したいのは、黄金期のジュビロ磐田のサッカーです。日本人選手だけでありましたが、ACLの前身である大会で優勝し、レオナルド、ジョルジーニョ、マジーニョ、と存在した鹿島の黄金時代と比べても遜色ない強さを見せていました。

FW:高原 中山
MF:名波
MF:奥 服部 福西 藤田
DF:山西 田中 鈴木
GK:大神

これがその当時のメンバーですが、
これそのまま似たような選手であてはめてみると、

FW:高原 前田
MF:俊輔
MF:松井 鈴木 今野 長谷部
DF:中田 闘莉王 中澤
GK:川口

こんな感じになるかなと思います。3列目の並びに関しては様々あると思いますし、小笠原や稲本、憲剛、遠藤、このような選手も入っていくると思いますが、要するに、これであるならば、前述した「中盤での組織的な守備プレス」「ボランチ的な選手に良い選手が多い」という日本選手の特徴を活かしたスタイルを実現できるシステムになるのではないかということです。

しかし、この3バックというシステム、サイドを起点にされると弱いという、致命的な弱点がありますよね。CBの質がお世辞にも高いと言えない日本代表にしてみれば、サイドからガンガン攻撃されると厳しいところがあります。トルシエの3バックが不評であったのも、この弱点が補いきれなかったから、ということがありました。更に、フラット3を実現する為に、CBには高さよりもスピードのある選手を起用したということもありました。宮本、森岡、中田浩、などがそうですね。中澤などはそれが理由で選ばれなかったということもあったと思います。そこでこれを4バックに変えていきたいわけですが、そうなると、

FW:高原 前田
MF:俊輔
DF:今野 鈴木 長谷部
DF:中田 闘莉王 中澤 阿部
GK:川口

という感じになり、個人的には「梅崎司と阿部翔平」という記事で書いたように、

FW:高原 前田
MF:山瀬
DF:梅崎 鈴木 長谷部
DF:阿部翔 闘莉王 中澤 内田
GK:川口 

2010年にはこうなるのが理想かなと思うわけです。何だかACミラン型のようになってきましたが、違いは明確な2トップにしているところですね。「4−3−2−1」もしくは「4−4−1−1」のようなシステムにすると、カカもいないインザーギもいない日本としては、イタリアのようなサッカーでは得点が取れないと思いますので、そのぶん守備は削られますが、そこはリスクを背負って2トップにしておく必要があると考えています。しかし、それは、前線の3枚にもフィルターとなるようなしっかりとした守備プレスを求めるということでもあり、それも日本人FW選手の特徴も活かせるように思います。


○ まとめ

ということでまとめますと、システムは「4−3−1−2」、例えば、

FW:高原 大久保(前田・永井)
MF:山瀬(俊輔・松井)
DF:梅崎(今野) 鈴木(稲本) 長谷部(小笠原)
DF:阿部翔(中田) 闘莉王(阿部勇) 中澤(岩政) 内田(加地)
GK:川口(西川)

こんな感じで、

1 前線からの守備
2 後ろの「4−3」の組織的な守備ブロックと連動性あるプレス
3 DFラインを高くしたコンパクト性重視
4 ショートパス、ワンタッチパス、素早いサポートと攻守の切り替え

このようなスタイルが日本にはベストなのではないかと思います。更に付け加えれば、守から攻へ切り替わった時には、SHの1枚とSB1枚、もしくは、SH2枚が上がったならSBは上がらない、という、常に後ろに5枚が残るような形をとるということですね。しかし、もちろん、チャンスならば後ろが4枚や3枚になることも、当然禁止するものではありません。

しかし、どうでしょうか、ここまで話が進んできて、1つ疑問を感じた人も少なからずいるのではないでしょうか? それはこれが本当に高いレベルで実現できたとして、それが本当に「個で勝負せず組織で勝負する」ということなのかどうかと言うことです。日本代表や日本選手が世界と戦うにはどのようなサッカーをすれば良いのか、ということになると、必ず「個で勝負せず組織で勝負する」ということが必要だという話が出てきますが、いかに組織的とは言っても、それを高いレベルで実現するには、結局、個の高い能力が必要でありますし、守備でも攻撃でも、最後は個の競り合い、1対1、それが勝負を決めますよね。特にゴール前ではそうですし、中盤でのプレスでもそうですし、いかにタッチ数の少ない速い攻撃をするとは言っても、そこには速く動きながら正確にボールを扱う技術の高さが必要となってきますし、また、必ず「ため」というものは作らなければならないわけですから、そこでは個のキープ力というものが重要となってきますよね。

このサッカー、実は2007年の吉田ジャパンが、カナダで開催されたワールドユースにおいて、

FW:森島 河原
MF:柏木
MF:梅崎 青山 田中
DF:安田 福元 槙野 内田
GK:林

というメンバーで具現化していたと思うのです。組織としては最大限に出来上がっていたと思います。でもやはり決勝Tを勝ち進むことはできませんでした。その原因は何かと言えば、やはり個の能力が足りなかった、ということだと思います。特に守備選手が1対1で負けていたので、勝てなかったと感じました。

個人的に考えるに、「個で勝負せず組織で勝負する」サッカーなどと言うものは、存在しないのではないかと思っています。組織を構成するものが個である以上、高いレベルの組織というものは高い個を前提にしていると思いますので、やはり、個の技術やフィジカルの向上、動きの質の向上、サッカーIQの向上、というもの無くして、日本サッカーの日本化、日本らしいスタイルやシステムの構築、というものは成し得ないのではないかと考えています。


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【2008/05/29 11:45】 | 岡田ジャパン考察 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
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コメント
こんにちは。
おじゃましました。
またよらせてください。
【2008/05/30 04:18】 URL | ようじ #/.OuxNPQ[ 編集] | page top↑
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